...火難、剣難、水難があってこそ、惚れ栄えもあると御思いなさい...
芥川龍之介 「妖婆」
...容貌は謂わばカザン寺院の縁日で売る火難盗賊除けのペテロの画像見た様で...
有島武郎 「かんかん虫」
...火難が家の死であらば水難は家の病気じゃなどと空想にふけりながら予は仮床(かりゆか)へ帰った...
伊藤左千夫 「水籠」
...老いて子に別れ、幼にして父を失い、妻は乳児をすてて去り、夫は家産を破りて死し、昨年は天災にくるしめられ、本年は病患に悩まされ、盗難火難、水災風災、相ついで至るときは、非凡の豪傑、賢人にあらざるよりは、迷いを起こさざるもの、けだし一人もなかるべしと思います...
井上円了 「おばけの正体」
...一二 後にヤマトタケルの命が野の草を薙いで火難を免れたから...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...主祷文はあらかた覺えてるだろう――天主樣がわたしたちを水難火難から守って下さるようにね...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...火難除(くわなんよ)けになりますよ」「家は借家だよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...火難(かなん)除(よ)けになりますよ」「家は借家だよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...火難盗難慎(つつし)むべし――と三世相に書いてある」「無駄は止(よ)せ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...火難盜難愼(つゝ)しむべし――と三世相に書いてある」「無駄は止せ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「こいつは驚いた、惡い手相ですね、親分」「何を言やがるんだ」「女難、盜難、水難、火難、劍難、皆んな備(そな)はつてますよ」「いやに備はりやがつたな」「その上金難まであるんだから大したもので」八五郎は緊張して來ると、益々輕口に油が乘ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...劍難、火難、水難、女難、盜難、立ちどころに消滅するよ」「あつしなんか、貧乏で醜男に生れついたばかりに、熨斗(のし)をつけてやると言つても、命のもらひ手がねえ」「それもこれも、親のお蔭だと思へ」平次と八五郎の無駄は際限もありませんが、佐渡屋を覆ふ災厄は、その間にも熟れ切つて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この年の大火難と...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...例せば一切経中に見る火難除(よ)けの符画も...
南方熊楠 「十二支考」
...火難等の折に臨んで避難の地を準備したるなり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...慾火難レ禁一丈高...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...今でも火難を防ぐ神として拝んでいるのは...
柳田國男 「日本の伝説」
...年の暮の火難から...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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