...かの大穹窿の上なる十字架に火皿を結び付くる役こそおそろしけれ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...象牙の吸口から出た六尺あまりの斑竹の先きにある白銅の火皿の中の火の光が...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...菓子をとろとろ煮てゐる火皿(ひざら)がおまへの心だ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...お前の魂を火皿(ほざら)の心(しん)にささげて...
大手拓次 「藍色の蟇」
...まだ清めもやらぬ火皿(ひざら)のマッチ巻莨(シガー)のからとともに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そして火皿からあまつたところがふらふらと後へ出るのを手をぶるぶるふるはせながらやつとかきあげて油壺の嘴からとくとくと飴色の種油をつぐ...
中勘助 「銀の匙」
...行燈が倒れると火皿(ひざら)は破(こわ)れてメラメラと紙に燃え移ります...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは、頭に火皿をのせ、手に二股の杖をついて、その書物をネフェルカプターの墓所へ返して行ったことである...
中島敦 「セトナ皇子(仮題)」
...それ一人が手頼ですからね」かういつて火皿へ紙を押込んでぐりつと廻(めぐ)して烟脂のついた紙を火鉢の隅へ棄てゝ詰つた羅宇をふうと吹いた...
長塚節 「おふさ」
...彼(かれ)はどうしても斷念(だんねん)せねばならぬ心(こゝろ)の苦(くる)しみを紛(まぎ)らす爲(ため)に蕗(ふき)の葉(は)や桑(くは)の葉(は)を干(ほ)して煙管(きせる)の火皿(ひざら)につめて見(み)たが...
長塚節 「土」
...その火皿に線香を立てたのも私に違ひありません」お富は兩手を後ろに廻して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...怪し氣な火皿が出來て居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――火皿などは要らない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...のぼせているので火皿(ほざら)の方を口へもっていった...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...騎銃の埃りを拭いて火皿へ火薬を注ぎ込んだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...火皿を弔る滑車奴...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...キセルの火皿をほじくった...
山本周五郎 「季節のない街」
...血筆をとって岩磐の火皿にかがまったきりであった甲賀世阿弥(こうがよあみ)も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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