...どうして私の利己心も火の手を揚げなかったと申せましょう...
芥川龍之介 「疑惑」
...三四ヶ所の火の手が上っていた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...そういう人々は、鬨の声、火の手、煙――それから、本当の窮民は僅かで、乞食と、無頼漢とが、勝手に暴れているんだ、と聞くと、自分の財産を守るのに、周章てていた...
直木三十五 「南国太平記」
...黄色の荒原の処々(ところどころ)に火の手の上っている背景を飾り...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...裏の火の手が先にあがったから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...江戸の諸方から一度に火の手の挙がる様子は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何処からともなくクワッと挙がった火の手が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのとき山谷堀の方にあたつて大きな火の手があがつてゐたつけ...
正岡容 「下町歳事記」
...第一の火の手だっ!三人は谷に向い...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...火の手は二手にも三手にも分れた様子で...
吉川英治 「江戸三国志」
...無断で城中の一隅から火の手をあげてしまった...
吉川英治 「黒田如水」
...彼は昨夜(ゆうべ)麓の刈石(かるいし)で泊っていたが山荘の火の手を見て...
吉川英治 「剣難女難」
...――寨(とりで)の四方には火の手が上がっている...
吉川英治 「三国志」
...呶鳴りちらす」「火の手と共に...
吉川英治 「三国志」
...用達しも出来ずにいたわけなんだね」「諸所に火の手は見えますし...
吉川英治 「私本太平記」
...火の手の方角を犬山と的確に知ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...真っ黒な煙が吹き出しているンだ!」火の手をたしかめたものであろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「そちは、築土(ついじ)を躍りこえて、御所へ急ぎ、火の手に、お案じあらぬよう、義経あらんかぎり、都は焦土とさせませぬと、お取次を以て、聞え上げて参れ...
吉川英治 「日本名婦伝」
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