...そうしてそれはリッターのいわゆる『遠心的』星雲を形成して次第にますます膨張を続けつつ徐々に空間中に瀰散するであろう...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...国内に瀰漫(びまん)する社会民主的思想の高潮は如何(いか)なる結果を生ずるか...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...共産主義的組織観に向う第一歩として共産食堂の観念がいかに急速に各所に瀰漫しつつあるかを見る...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「共産食堂」
...芸苑のあらゆる方面に鬱勃(うつぼつ)たる新興精神が瀰(ひろが)っていた...
高村光太郎 「ヒウザン会とパンの会」
...……すでに当市の婦人たちの間にもこの弊風は相当瀰漫(びまん)しておりますようですし...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...急に空一面に瀰漫すると見る間もなく夕立模様となった...
田中貢太郎 「魔王物語」
...でもあたりには鼻を衝(つ)く屍臭が瀰漫(びまん)していたので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...この広い世界のすべての存在が消えてしまって自分のからだの痛みだけが宇宙を占有し大千世界に瀰漫(びまん)しているような気がしている...
寺田寅彦 「柿の種」
...これが記紀の時代に現われて以来今日に至るまで短歌俳句はもちろん各種の歌謡民謡にまでも瀰漫(びまん)している...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...一本のマッチをすればその光は全宇宙に瀰漫(びまん)してその光圧は天体の運動に幾分の変化を生じなければならぬはずである...
寺田寅彦 「方則について」
...無信仰の心理状態が瀰漫してしまった...
豊島与志雄 「自由人」
...現在瀰漫(びまん)するところの大衆作家諸君の作品は...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...この瀰散的な経過が到るところで生じているはずである...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...世界的に瀰漫(びまん)した時代であった...
中谷宇吉郎 「科学と国境」
...血潮と線香の匂ひの瀰漫(びまん)する中へ踏込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この家に瀰漫(びまん)する異樣な空氣を嗅ぎわけるつもりだつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...瀰漫(びまん)してゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
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