...その全部の紙数二千六百ページに余るほどのすこぶる浩瀚(こうかん)の大書籍なれば...
井上円了 「おばけの正体」
...文教の助けとある浩瀚の書を印行せしもありき...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...あの浩瀚(こうかん)な大般若数百巻は...
田山録弥 「雨の日に」
...又南渡一海千餘里、名曰瀚海、至一大國、官亦曰卑狗、副曰卑奴母離、方可三百里、多竹木叢林、有三千許家、差有田地、耕田猶不足食、亦南北市糴...
陳壽 「魏志倭人傳」
...自由奔放にペンを走らしたと思える「レ・ミゼラブル」のような浩瀚(こうかん)なものについては...
豊島与志雄 「レ・ミゼラブル」
...名曰二瀚海一...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...千九百二年巴里において林忠正はそが所蔵の浮世絵並に古美術品を競売に附するに際し浩瀚(こうかん)なる写真版目録を出版せり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...全集は科學文藝醫學衞生等其項目甚浩瀚なり...
永井荷風 「鴎外全集刊行の記」
...私にはあの浩瀚(こうかん)なローマ衰亡史の著者しか思い当らないのだが...
中島敦 「環礁」
...私にはあの浩瀚なローマ衰亡史の著者しか思ひ當らないのだが...
中島敦 「環礁」
...スタインの専門的な探険報告や燉煌絵画のような浩瀚(こうかん)なものには手が出ないが...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...今浩瀚(こうかん)なる十七巻の全集として行われているが...
服部之総 「福沢諭吉」
...年處を經るに從ひて浩瀚の書の殘闕を生ずるは自然の事なれば...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...浩瀚な『聖地巡礼記』は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...大学を出てから殆ど十年の長い日月を、子爵は北英のその邸に於て、釣魚と鳥追ひといつた無為の業(わざ)に徒費してゐたが、三十を越える二、三に至つて、漸く読書に興味を覚え、詩には熱を感じ、いかに浩瀚、冗長なものであらうとも、あらゆる思想的の書物を読破する根気を養ふに至り、その頃現はれたジヨオジ・エリオツト伝の如きにも、全く我を忘れてこれに没頭するに至つた...
平田禿木 「趣味としての読書」
...要抗仏蔵之浩瀚...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...――あきらかに頼源のことばである――つまり浩瀚(こうかん)な書物をつかった暗号書簡だったのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...国体をあきらかにするための浩瀚(こうかん)な書物の版行(はんこう)...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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