...文教の助けとある浩瀚の書を印行せしもありき...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...それですら關係文獻の堆積は頗る浩瀚なもので一般人は勿論勤勉な專門家でさへ一人の力では到底手におえぬ程である...
橘樸 「支那を識るの途」
...又南渡一海千餘里、名曰瀚海、至一大國、官亦曰卑狗、副曰卑奴母離、方可三百里、多竹木叢林、有三千許家、差有田地、耕田猶不足食、亦南北市糴...
陳壽 「魏志倭人傳」
...然れども賤人の私記却而(かえつて)浩瀚の史籍より史学上の価値を有すること尠しとせず...
津田左右吉 「史論の流行」
...北斎の捉(とら)へたる画題の範囲の浩瀚無辺(こうかんむへん)なることいまだ能(よ)く東洋諸般の美術を通覧せざりし西欧人をして驚愕(きょうがく)措(お)く能(あた)はざらしめたるに依(よ)るものとなす...
永井荷風 「江戸芸術論」
...全集は科學文藝醫學衞生等其項目甚浩瀚なり...
永井荷風 「鴎外全集刊行の記」
...私にはあの浩瀚(こうかん)なローマ衰亡史の著者しか思い当らないのだが...
中島敦 「環礁」
...私にはあの浩瀚なローマ衰亡史の著者しか思ひ當らないのだが...
中島敦 「環礁」
...スタインの専門的な探険報告や燉煌絵画のような浩瀚(こうかん)なものには手が出ないが...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...今浩瀚(こうかん)なる十七巻の全集として行われているが...
服部之総 「福沢諭吉」
...年處を經るに從ひて浩瀚の書の殘闕を生ずるは自然の事なれば...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...浩瀚な『聖地巡礼記』は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...大学を出てから殆ど十年の長い日月を、子爵は北英のその邸に於て、釣魚と鳥追ひといつた無為の業(わざ)に徒費してゐたが、三十を越える二、三に至つて、漸く読書に興味を覚え、詩には熱を感じ、いかに浩瀚、冗長なものであらうとも、あらゆる思想的の書物を読破する根気を養ふに至り、その頃現はれたジヨオジ・エリオツト伝の如きにも、全く我を忘れてこれに没頭するに至つた...
平田禿木 「趣味としての読書」
...武家の法典中最も浩瀚(こうかん)にして且つ最も周密なるものであること...
穂積陳重 「法窓夜話」
...要抗仏蔵之浩瀚...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...非常に貴重なまた浩瀚(こうかん)なものであったが...
柳田國男 「地名の研究」
...――あきらかに頼源のことばである――つまり浩瀚(こうかん)な書物をつかった暗号書簡だったのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...国体をあきらかにするための浩瀚(こうかん)な書物の版行(はんこう)...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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