...そこへ濶達(かったつ)にはいって来たのは細い金縁の眼鏡をかけた...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...打ち出しの太刀(たち)を濶達(かったつ)に佩(は)いた...
芥川龍之介 「偸盗」
...英敏にして濶達なる好人物也...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...性(せい)濶達にして身の丈(たけ)六尺に近く...
高山樗牛 「瀧口入道」
...のほほんなりと少し作品を濶達に書きかけると...
太宰治 「風の便り」
...自由濶達(かったつ)に...
太宰治 「酒ぎらい」
...もっと濶達(かったつ)な文化人だと思っていた...
太宰治 「新ハムレット」
...然し隠居をしても、濶達な重豪は、自分に面当(つらあて)のようなこの政策に、激怒した...
直木三十五 「南国太平記」
...當代の新三郎はわけても濶達(くわつたつ)で聰明で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...とても濶達に描かれてある...
長谷川時雨 「「郭子儀」異變」
...山の屋根が濶達になつて...
林芙美子 「大島行」
...濶達な足音が近づいてきて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...宗皇帝が極めて瓢逸濶達な精神の持主であられることが判るのである...
久生十蘭 「魔都」
...雪之丞の、昨夜の、生き死の難儀に対する恐怖すべき追憶なぞは、どこにも残っていないような態度で、自由濶達に、演技をつづけているのを、じっとみつめて、唇を噛んでいるお初の胸の中は、さてどんなものであろう?彼女は、いきどおりに燃えて、三斎隠居一味に、彼の秘密を告げ口する決心が、ますますかたまってゆくのであろうか?と、ばかりは言えなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...濶達の気性を公認されている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...明るく濶達で、わがままいっぱいにふるまいながら、なお家中の人たちに愛され、尊敬されていた七十郎...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...良く云えば濶達明朗というのかね...
横光利一 「旅愁」
...やや濶達(かったつ)に廊を渡っておいでだった...
吉川英治 「私本太平記」
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