...打ち出しの太刀(たち)を濶達(かったつ)に佩(は)いた...
芥川龍之介 「偸盗」
...■其処で大阪の役者などは博多で芝居をするのは非常に骨が折れるさうで、博多の人は眼が肥えてゐるから、役者のアラはすぐ見破ることが出来るのです、一たいで博多は大阪の感化を受けるのは非常なものですが、人間は快活で、濶達で、東京人に類似して大阪人と反対です...
伊藤野枝 「福岡の女」
...すこしも遠慮に及ばぬと濶達に言葉を添えた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その床几の上に、あぐらをかいて池の面を、ぼんやり眺め、一杯のおしるこ、或(あるい)は甘酒をすするならば、私の舌端は、おもむろにほどけて、さて、おのれの思念開陳は、自由濶達、ふだん思ってもいない事まで、まことしやかに述べ来り、説き去り、とどまるところを知らぬ状態に立ち到ってしまうのである...
太宰治 「乞食学生」
...自由濶達(かったつ)に...
太宰治 「酒ぎらい」
...M君の濶達な人徳も...
太宰治 「小照」
...無邪気で明朗濶達(かったつ)な一面があったことを證するに足りるのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...然し隠居をしても、濶達な重豪は、自分に面当(つらあて)のようなこの政策に、激怒した...
直木三十五 「南国太平記」
...とても濶達に描かれてある...
長谷川時雨 「「郭子儀」異變」
...山の屋根が濶達になつて...
林芙美子 「大島行」
...町人にしては濶達ないい気性の男だッたが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...お長柄組(ながえぐみ)にこの人ありと知られていた濶達(かったつ)な大沼喜三郎は...
本庄陸男 「石狩川」
...二男らしい濶達(かったつ)な気性と...
山本周五郎 「いさましい話」
...三代家光(いえみつ)の濶達(かったつ)な気性をうけてうまれ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...濶達(かったつ)さと明るさがあらわれてきた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...」と人人に高言するほど濶達自由で豊かな知識を持った紳士であった...
横光利一 「旅愁」
...やや濶達(かったつ)に廊を渡っておいでだった...
吉川英治 「私本太平記」
...いじけずにして濶達(かったつ)で...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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