...濶達勇悍の好将軍知盛によつて...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...母の気性には濶達(かったつ)な方面とともに...
有島武郎 「私の父と母」
...■其処で大阪の役者などは博多で芝居をするのは非常に骨が折れるさうで、博多の人は眼が肥えてゐるから、役者のアラはすぐ見破ることが出来るのです、一たいで博多は大阪の感化を受けるのは非常なものですが、人間は快活で、濶達で、東京人に類似して大阪人と反対です...
伊藤野枝 「福岡の女」
...性(せい)濶達にして身の丈(たけ)六尺に近く...
高山樗牛 「瀧口入道」
...濶達(かったつ)に書きすすめて下さい...
太宰治 「風の便り」
...濶達(かったつ)なものだった...
太宰治 「帰去来」
...中々濶達(かったつ)な所がある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...明朗濶達なる国民の気風を涵養し...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...「自由というのは自分の感情と思想とを独立させて冷然と眺めることの出来る濶達自在な精神なんだ...
豊島与志雄 「「紋章」の「私」」
...當代の新三郎はわけても濶達(くわつたつ)で聰明で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恥死(はぢし)んでもよいほど濶達な...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...すぐ握りかえしてくるという濶達さで...
久生十蘭 「雲の小径」
...お長柄組(ながえぐみ)にこの人ありと知られていた濶達(かったつ)な大沼喜三郎は...
本庄陸男 「石狩川」
...雪之丞の、昨夜の、生き死の難儀に対する恐怖すべき追憶なぞは、どこにも残っていないような態度で、自由濶達に、演技をつづけているのを、じっとみつめて、唇を噛んでいるお初の胸の中は、さてどんなものであろう?彼女は、いきどおりに燃えて、三斎隠居一味に、彼の秘密を告げ口する決心が、ますますかたまってゆくのであろうか?と、ばかりは言えなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...大跨で見たところ濶達げに歩行してゐたが...
室生犀星 「帆の世界」
...以前のような濶達(かったつ)さや...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...いじけずにして濶達(かったつ)で...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...彼はいつの間にか臆病な、窮屈な田舎出の家庭教師の仮面をかなぐり棄てて、濶達奔放、縦横無碍の調子で喋舌り立てる様になった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??