...未開の波濤を破って新航路を造らんと企てたのであって...
大隈重信 「日本の文明」
...岬(みさき)の尖端(せんたん)から怒濤(どとう)めがけて飛び下りる気持で...
太宰治 「斜陽」
...烈風は舷(ふなばた)を打って、怒濤は逆巻いて、今にも艦は溺没(できぼつ)せんばかりの、その見上げるような、浪頭の中に、海底の岩礁で散々に砕かれたらしい、膚を剥(む)かれて真っ白になった無数の巨木や、確かに船の破片と覚しい大きな板切れや、レンジファインダーの空函、錨鎖(びょうさ)と覚しき物体なぞが躍り挙がり、舞い狂い、奔逸し崩れ落ち、縦横に旋回しているのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...悦子は電話口へ飛んで行って松濤(しょうとう)アパートを呼び出した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...紀州灘(きしゅうなだ)の荒濤(あらなみ)が鬼(おに)が城(じょう)の巉巌(ざんがん)にぶつかって微塵(みじん)に砕けて散る処...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...春濤まではまあいいとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...遥かの濤声(とうせい)に耳をすましていると...
中島敦 「光と風と夢」
...私はランプの下にごろりと成つた儘大地の底からゆすつて鳴る様な濤の響を聞いて居た...
長塚節 「隣室の客」
...実地の生活の波濤(はとう)をもぐって来ない学者の概括は中味の性質に頓着(とんじゃく)なくただ形式的に纏めたような弱点が出てくるのもやむをえない訳であります...
夏目漱石 「中味と形式」
...蔭へ廻ると「濤子さん――」と言ったような無礼な口を利くそうで...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...焔は怒濤(どとう)のごとく小屋の中へ――...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...万世の舟船が波濤の災いを払わんがためなり...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...詩人はこの濤の音と草木の香の中で極めて楽しさうで...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...時代の歴史の濤が益々つよく激しく我が身辺にたぎり立ったとき...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...二つに分け去られる大濤(おおなみ)にのって...
吉川英治 「新書太閤記」
...何濤(かとう)はさっきから...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ありがてえ」何濤(かとう)の起(た)つより早く...
吉川英治 「新・水滸伝」
...大きな生死の濤(なみ)に持って行かれようとしている彼身此身(かのみこのみ)の...
吉川英治 「宮本武蔵」
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