...錆竹(さびたけ)の濡れ縁に萬年青(おもと)の鉢を眺めて居ると...
谷崎潤一郎 「刺青」
...濡れ縁の端から見送っていたお蝶は...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...奉公人にまで遠慮をしなきゃならないんだ」平次は濡れ縁に腰を掛けました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狹い濡れ縁を踏んで入ると中は六疊と三疊の二た間だけ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...初期の紅絵時代、茶色の荒い紙に、上に紅葉の枝をさし交し、侘住居をあらわす一本の自然木の柱、壁のつり棚、濡れ縁があり、壁には傘が吊られ棚に香炉がくゆり、太刀がかけてある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...湯帷子(ゆかた)の裾をからげて濡れ縁のところから庭へ水を打ちはじめた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...濡れ縁に坐ろうとする加代を...
山本周五郎 「日本婦道記」
...濡れ縁の端から見送っていたお蝶は...
吉川英治 「江戸三国志」
...一堂の濡れ縁に腰かけて...
吉川英治 「私本太平記」
...中坪の濡れ縁を通りかけた人影は...
吉川英治 「私本太平記」
...濡れ縁の果ての妻戸のうちへすうと隠れた...
吉川英治 「私本太平記」
...そこの濡れ縁からすぐの...
吉川英治 「私本太平記」
...濡れ縁の端の掛樋(かけひ)へ寄って行かれると十四...
吉川英治 「私本太平記」
...そして濡れ縁をわたり...
吉川英治 「新書太閤記」
...濡れ縁の障子明りをふり向いて見まもった...
吉川英治 「新書太閤記」
...怖々(こわごわ)、濡れ縁の端から、中を覗(のぞ)いて、「ええ、当家の、帳場の者でございますが……」ひょいと見ると、客は渋沢栄一だった...
吉川英治 「松のや露八」
...奥州上りの金売商人(あきんど)ですが」「何ぞ用ですか」「そこの観音堂の濡れ縁にでも腰かけましょう...
吉川英治 「源頼朝」
...濡れ縁に腰かけている吉次の胸もとへ...
吉川英治 「源頼朝」
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