...この小径は所々岩が多く、濡れていて、時に非常に急な山の背に達していた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...何といふ夢だ! 恥を知れ!・百姓なれば石灰をまく石灰にまみれて炎天・朝はすずしくお米とお花とさげてもどる・夕立つや若竹のそよぎやう・青田も人も濡れてゐる雨のあかるく・こゝまでさくらが...
種田山頭火 「其中日記」
...濡れている辻馬車の馭者...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...何処もかしこも濡れている...
永井荷風 「写況雑記」
...二人は再び濡縁(ぬれえん)に腰をかけて庭の方を向いた...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...濡手(ぬれて)で粟(あわ)の手数料――うまく当れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...涙に濡れて哀れ深く聴こえました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...袖のところを少し濡らして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...庭は真暗に濡(ぬ)れて号泣しているようなのだ...
原民喜 「死のなかの風景」
...タオルで濡れた手をふきながら...
平林初之輔 「人造人間」
...黒髪も濡れてべったり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...「東京」らしい華やかさに濡れそぼけていた...
正岡容 「寄席行燈」
...濡れたとも見えずにいる...
森鴎外 「鶏」
...涎(よだれ)で濡れて半ば開いている唇...
山本周五郎 「日本婦道記」
...濡れた菩提樹(ぼだいじゅ)の隙間から...
横光利一 「上海」
...樹から繋がりのまま直接噛み破る酸味に口の周りの濡れるのが...
横光利一 「旅愁」
...武将も役人もことごとく衣服の濡れるもいとわず于吉のまわりに拝跪(はいき)したざまが...
吉川英治 「三国志」
...その後に血の交じった涎(よだれ)が糸をひいて床を濡(ぬ)らしている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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