...しかもその真中からは大きな茶わかしが濛々(もうもう)たる湯気をまきあげている...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...海水と接せる部分は水蒸氣の白煙濛々として咫尺を辨ぜず...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...濛々(もうもう)と淡黄色(たんこうしよく)を帯びた毒瓦斯が...
海野十三 「空襲葬送曲」
...濛々(もうもう)たる黒煙(こくえん)があがる...
海野十三 「沈没男」
...再び白煙が濛々と立ち込めて...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...空も遠くの方も濛濛たる煙に覆われて...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...霧は果して一面に濛と湧き返って...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...烟雨終日空濛たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...たま/\天曇りて海氣濛々たり...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...濛々とあがる灰吹雪(はいふぶき)の中に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...香りの高い煙草の煙りが濛々としてゐる中に眩んでゐると...
牧野信一 「円卓子での話」
...花粉が濛々たる煙のようにまた漠々たる雲のように飛んで来るのならイザ知らぬこと...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...雨で濛々(もうもう)...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...濛々山駅雨為レ煙...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...ここの高い煙筒だけ一本濛濛(もうもう)と煙を噴き上げていた...
横光利一 「微笑」
...――濛々(もうもう)とこめる戦雲と朝霧に明けて...
吉川英治 「剣の四君子」
...ここはまだ濛々(もうもう)と余燼(よじん)のけむりに満ちている...
吉川英治 「三国志」
...木立から木立の梢にかけて濛々と水煙が立ち靡いてゐる...
若山牧水 「山寺」
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