...呼氣(いき)の濕氣(しめりけ)で眞白に凍つた...
石川啄木 「菊池君」
...手拭(てぬぐひ)が濕(ぬ)れてゐれば猶(なほ)よく...
今村明恒 「地震の話」
...甲州の一名物たるひどい濕つた風に時々ランプの光を取られかけるのである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...黒い濕り氣の上に射してゐた...
鈴木三重吉 「金魚」
...二こよひ濕(うる)める夕月(ゆふづき)の人(ひと)醉(ゑ)はしめの寂(さびし)みに...
薄田淳介 「白羊宮」
...花(はな)のしづくに濕(しめ)すまに...
薄田淳介 「白羊宮」
... 390かくして濕氣速かに外にはみ出し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...乾いた畑に濕つた丸い穴のあとが一つづつ殖えて行く...
長塚節 「寫生斷片」
...蒲團(ふとん)を濕(ぬら)す汗(あせ)の臭(くさみ)が鼻(はな)を衝(つ)いた...
長塚節 「土」
...宵に春雨が降つたらしく屋根が濕つて居る...
長塚節 「十日間」
...此處へは人を寄せ付けないやうにしたんだが――」さう言ひながら左陣は濕(しめ)つた土の上を指しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...駕籠を据ゑた跡らしいものを撒水(まきみづ)の濕(しめ)りの上に見出すと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...でつかい足跡でもあるか」「北側は濕(しめ)り土で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...四五日はお濕(しめ)りにもありつきませんよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...結び目を濕(しめ)したり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後者(こうしや)は濕氣(しつき)のある中凹(なかくぼ)みのあるところに生(は)えるのです...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...陰濕(じめ/″\)してどす黒い………其のどす黒い地べたに...
三島霜川 「平民の娘」
...小家の中の他の總ての物と同じやうに――その寢臺は日毎に一層濕つて冷たくなつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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