...この際(さい)若(も)し竿雜巾(さをぞうきん)(竿(さを)の先(さき)に濕雜巾(ぬれざふきん)を結付(むすびつ)けたもの)の用意(ようい)があると...
今村明恒 「地震の話」
...鉛の色の濕りたる空氣はこの炎々として猛烈なる火氣(くわき)を靜めて...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...土も木も人の着物も一樣に濕々(じめ/″\)した濡れた匂ひを含んで...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...庭には柔かな草が萠え出して土はいくらか濕つて居る極爽快な日であつた...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...醫者(いしや)はお品(しな)の大腿部(だいたいぶ)を濕(しめ)したガーゼで拭(ぬぐ)つてぎつと肉(にく)を抓(つま)み上(あ)げて針(はり)をぷつりと刺(さ)した...
長塚節 「土」
...粘膜(ねんまく)のやうに赤(あか)く濕(うるほ)ひを持(も)つた二つの道筋(みちすぢ)を傳(つた)ひて冷(つめ)たく垂(た)れた洟(はな)を彼(かれ)は啜(すゝ)りながら...
長塚節 「土」
...足(あし)を濕布(しつぷ)で温(あたゝ)める事(こと)と...
夏目漱石 「門」
...こんなに綺麗ぢやないか」源吉は生濕(なまじめ)りの手拭をお吉の眼の前にヒラヒラさせました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...腰から下は生濕(なまじめ)りのまゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此處へは人を寄せ付けないやうにしたんだが――」さう言ひながら左陣は濕(しめ)つた土の上を指しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内儀のお紺は濕(しめ)つぽく佛の飾りの世話を燒き...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄闇の濕地にかげをひいてぞくぞくと這へる羊齒植物 爬蟲類蛇 とかげ ゐもり 蛙 さんしようをの類...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...空氣の濕つぽい臭ひまで...
萩原朔太郎 「室生犀星に就いて」
...あまりひどく悄氣(しよげ)込んでるので、もう二三言(こと)云ふと涙が出さうです――それ、もうそこに、キラ/\光つて、濕つて、一滴(ひとしづく)睫(まつげ)からこぼれて敷物の上に落ちた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...くはしくいふと森林(しんりん)の中(なか)は比較的(ひかくてき)濕氣(しつき)が多(おほ)く...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...空氣(くうき)は妙(めう)に濕氣(しつけ)を含(ふく)んで來(き)た...
三島霜川 「虚弱」
...土(つち)の濕(しめ)りがしつとりと潤(うるほ)ひを持(も)つてゐる...
水野仙子 「悔」
...空氣の濕つた冷たさは...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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