...通常濃紫色のひらべったい頭の花を持つ」とある...
石川欣一 「可愛い山」
...花の内ぶところに隠されてゐる襞の濃紫をほかにすると...
薄田泣菫 「独楽園」
...垣間(かいま)見る好色者(すきもの)に草芳(かぐわ)しき芳草(ほうそう)や黒き烏も濃紫(こむらさき)明治三十九年三月十九日 俳諧散心...
高浜虚子 「五百句」
...ユヒソメテ馴レシタブサノ濃紫オモハズ今ニアサカリキトハ...
太宰治 「右大臣実朝」
...濃紫(こむらさき)色にひろがっていて...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...濃紫の衣装を着た女が自分の横に腰掛けているらしかった...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...暮山一朶の春の雲緑の鬢を拂ひつゝ落つる小櫛に觸る袖もゆかしゆかりの濃紫羅綺にも堪へぬ柳腰(りうやう)の枝垂(しだり)は同じ花の縁花散りはてし夕空を仰げば星も涙なり...
土井晩翠 「天地有情」
...濃紺(のうこん)濃紫(のうし)の神秘な色を湛(たた)えて梢を距(さ)る五尺の空に唯一つ明星を煌(きら)めかしたり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...平島羽二重(ひらしまはぶたえ)の濃紫紺...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...銀色の雪の上にクッキリと濃紫(こむらさき)の影をおとし...
久生十蘭 「キャラコさん」
...陶は濃紫のお高祖頭巾(こそずきん)をかぶり...
久生十蘭 「湖畔」
...濃紫の菖蒲の花の美しさ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こちらの童女は濃紫(こむらさき)に撫子重ねの汗袗(かざみ)などでおおような好みである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...玉屋には濃紫(こむらさき)...
森鴎外 「細木香以」
...玉屋の濃紫を根引した...
森鴎外 「細木香以」
...本妻は濃紫との折合が悪いと云って木場へ還された...
森鴎外 「細木香以」
...当時この人々は濃紫のおふさが木綿著物に襷(たすき)を掛けて...
森鴎外 「細木香以」
...薊(あざみ)の花の濃紫が雨に濡れて咲き亂れてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??