...良質の水は美しく透明であるべきであって少し濁るのは他の物が入っていることを示す...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...重く濁った空は、その広い沼地の端から端へと同じ広さで低くのしかかり、沼の全面は枯れすがれて生気を失った葦で覆われて、冷たく鬱した空気が鈍くその上を動いていた...
伊藤野枝 「転機」
...空気は濁っていた...
梅崎春生 「桜島」
...赤く濁った眼で僕を見返した...
梅崎春生 「蜆」
...濁っているのです...
太宰治 「新ハムレット」
...濁つた私の恋と私の体をめぐる血とを聯想させた...
田山録弥 「ある日」
...ひどく濁りっぽい気持になっていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...政界を汚濁せしめたる罪惡は擧げて言ふ可からざるものあり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...または子供を背負った児娘(こむすめ)までが笊(ざる)や籠や桶(おけ)を持って濁流の中(うち)に入りつ乱れつ富裕な屋敷の池から流れて来る雑魚(ざこ)を捕えようと急(あせ)っている有様...
永井荷風 「日和下駄」
...不覚にも言葉尻が濁るのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...私達が背負っている汚濁の方がまだ綺麗なくらいですよ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...濁って不透明な群集の中から明るく透きとおるように浮き出していた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ただ弥陀の本願海をとかんとなり 五濁悪時の群生海 如来如実の言を信ずべし...
三木清 「親鸞」
......
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それに反して斯う云ふ風な仕事をしまするのは國語を濁すのであります...
森鴎外 「假名遣意見」
...いつもいやなものだけを濁音にする癖があるようだ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...河は土色に濁(にご)っている...
山本周五郎 「青べか日記」
...蒙古風の名残が吹いて空は濁つてゐるが...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??