...濁った目を大きく見開いて...
芥川龍之介 「偸盗」
...どんよりと濁った沼の水には青空がさびついたように映って...
芥川龍之介 「日光小品」
...其家(そこ)にも、此家(ここ)にも、怖し氣な面構をした農夫や、アイヌ系統によくある、鼻の低い、眼の濁つた、青脹(あをぶく)れた女などが門口に出で、落着の無い不恰好な腰附をして、往還の上下を眺めてゐるが、一人として長く立つてるものは無い...
石川啄木 「赤痢」
...その濁流は海老瀬村一帯を侵した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...渾としてそれ濁るがごとし...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...家ではいつも濁酒(にごりざけ)ばかり飲んでゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...慾がなくなるほど濁が見える...
種田山頭火 「其中日記」
...留守居の男が赤く濁つた茶などを勧めた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...泥池は湧き水だが、赤く濁って、もう子供たちもそこでは遊ばず、木片を浮べて放置されたままだった...
豊島与志雄 「化生のもの」
...更(さら)に濁水(だくすゐ)が白(しろ)い泡(あわ)を乘(の)せつゝ低(ひく)きを求(もと)めて去(さ)つた...
長塚節 「土」
...念佛(ねんぶつ)の濁(にご)つた聲(こゑ)も明(あか)るく響(ひゞ)いた...
長塚節 「土」
...濁った天気がそろそろ御米の頭を攻め始めた...
夏目漱石 「門」
...畳がまさに汚濁せる潮水のために浸ろうとする時...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...上がって見れば大量の泡や濁水(だくすい)が...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...馬鹿な濁声が馬鹿に空々しく樹々の梢にこだまするだけだつた...
牧野信一 「籔のほとり」
...我流でお茶を濁してしまうわけだ...
正岡容 「寄席」
......
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...白いささ濁りが拡がってゆくのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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