...これは、その濁つた、黄いろい光が、隅々(すみ/″\)に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、ゆれながら映(うつ)つたので、すぐにそれと知れたのである...
芥川龍之介 「羅生門」
...折からの雨で濁水が流れ...
石川欣一 「比島投降記」
...どの字もが濁酒(どぶろく)にでも酔つ払つたやうに踊つたり...
薄田泣菫 「茶話」
...薄暗い居酒屋でわずかの濁酒(にごりざけ)に酔っては...
太宰治 「新釈諸国噺」
...そこのところは言葉を濁した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...清濁を斷ずといはむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...濁らしたりよごしたりして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...強健な混濁した活気に満ちてる独創の才をそなえていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「夜分に家を明けるようなことはなかったのか」「え」お組の答えは妙に濁っておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その音の清濁(せいだく)をしらべるのが一番確かな方法とされ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一人は澎湃奔放(はうはいほんぱう)たる濁流を望(のぞ)み...
長谷川時雨 「こんな二人」
...向うの山の背にいくつか雲の動かずにいるあたりが赤く濁ったような色あいを帯び出しているのを見入っていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...無氣味に赤濁つた水だつたからな...
堀辰雄 「牧歌」
...あるいは容(い)れる濁酒(マッカリ)から出た呼び方なのか...
柳宗悦 「全羅紀行」
...どろんと濁った眸子(ひとみ)...
山本周五郎 「日本婦道記」
...半之助はあいまいに言葉を濁した...
山本周五郎 「山彦乙女」
......
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...暗黒の世と濁流の巷がわれに与えてくれた恩恵であったとおもう...
吉川英治 「新書太閤記」
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