...』と少し曖昧に濁して...
石川啄木 「鳥影」
...コレラによる高い死亡率を飲み水の濁りと悪い味と当然に結びつける民衆の大きな叫びの結果として...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...濁酒も辞せず...
太宰治 「花吹雪」
...なお彼は、文政十年、十六歳の春より人に代筆せしめ稽古日記を物し始めたが、天保八年、二十六歳になってからは、平仮名いろは四十八文字、ほかに数字一より十まで、日、月、同、御、候の常用漢字、変体仮名、濁点、句読点など三十個ばかり、合わせても百字に足りぬものを木製活字にして作らせ、之を縦八寸五分、横四寸七分、深さ一寸三分の箱に順序正しく納めて常時携帯、ありしこと思うことそのままに、一字一字、手さぐりにて押し印し、死に至るまで四十余年間ついに中止せず克明にしるし続けた...
太宰治 「盲人独笑」
...意識が昏濁してきた...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...」とお茶を濁した...
徳田秋声 「縮図」
...その濁りが次第次第に深くなって底まで達(とど)くと...
夢野久作 「ルルとミミ」
...顔の美醜や、肉附の多少や、声の清濁や、行儀作法、そういうものとは全く別な、何か自然的な女性的な柔かな香りとでも云えるものがあり、そうした雰囲気を濃く立てる者ほどすぐれた文章が書けるのであり、文章は謂わばその雰囲気から萠え出るのである...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...「夜分に家を明けるようなことはなかったのか」「え」お組の答えは妙に濁っておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かように宣長翁の『古事記』研究によって『古事記』の仮名の使い方の上に清濁が非常に厳重に使い分けてあるということ...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...死の濁流へ呑まれないやうにしてゐたのである...
葉山嘉樹 「氷雨」
...卯平はまた両手を赤く濁った水の中につっこみ...
火野葦平 「糞尿譚」
...今まで濁ったような東京に住んでいた彼は...
北條民雄 「いのちの初夜」
...いつもいやなものだけを濁音にする癖があるようだ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...――私は身體の中から都會の濁りが空の中へ流れ出す疲れをぐつたりと感じていつた...
横光利一 「榛名」
......
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...濁浪のなかを、敢然、子が泳いでゆくのを見ると、頼房もすぐ裸になっておどりこみ、彼方の岸へ泳ぎつくまでは、さも心配そうに、身の危険も忘れて、子の闘いを見まもって行ったということであるが――彼の訓育は何事につけこうしたふうであった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...防いでも防いでも濁流になる耕地に立って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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