...室内はまた暗澹(あんたん)の中に沈んだ...
海野十三 「恐怖の口笛」
...この座席を占領するまでにどれだけ私が苦心惨澹しなければならなかったか...
谷譲次 「踊る地平線」
...15暗澹として滄溟のうねり高まり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...梶井の暗澹たる気持は理解できなくない...
外村繁 「澪標」
...今目前(もくぜん)の腰掛にいぎたなく寢そべつて居る國民の顏をば暗澹たる車中の燈火に照して眺めながら...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...苦心惨澹...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...商舗の燈火は黯澹として行人稀なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...前途極めて暗澹(あんたん)たるものがあることを覚悟しておく必要がある...
中谷宇吉郎 「硝子を破る者」
...天色惨澹トシテ朔風雪ヲ捲キ...
成島柳北 「祭舌文」
...漂流者のように暗澹たる気持になり...
久生十蘭 「海豹島」
...また暗澹たる黒雲におおわれてしまった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...それから暗澹たる夜空を眺めた...
松永延造 「職工と微笑」
...『博物志』に孔子の弟子澹台滅明(たんだいめつめい)璧(たま)を持って河を渡る時...
南方熊楠 「十二支考」
...渡辺はなぜこんな冷澹(れいたん)な心持になっていられるかと...
森鴎外 「普請中」
...日本の前途はまだ暗澹たるものがある...
夢野久作 「近世快人伝」
...自分だけの糊口にも暗澹としてゐるのが無數である...
吉川英治 「折々の記」
...暗澹(あんたん)とわからないものになってしまった...
吉川英治 「親鸞」
...この惨澹(さんたん)たる轢殺の戦慄に...
蘭郁二郎 「鉄路」
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