...彼等通人(つうじん)も肚(はら)の中では如何(いか)に人生の暗澹(あんたん)たるものかは心得てゐたのではないであらうか? しかもその事実を回避(くわいひ)する為に(たとひ無意識的ではあつたにもせよ)洒落(しや)れのめしてゐたのではないであらうか? 彼等の一人(ひとり)...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...彼を取巻いている暗澹たる危難や...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...また暗澹としたが...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...桜花(あうくわ)澹(たん)として無からむとす...
徳冨蘆花 「花月の夜」
...これはわが国農村婦人の惨澹(さんたん)たる運命を説明する病気で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...商舗の燈火は黯澹として行人稀なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...數分時(すうふんじ)の後(のち)世間(せけん)は忽(たちま)ちに暗澹(あんたん)たる光(ひかり)に包(つゝ)まれて時雨(しぐれ)がざあと來(き)た...
長塚節 「土」
...フランクリン探検隊の謎のような消滅とグリーリー探検隊の惨澹たる遭難があった...
久生十蘭 「南極記」
...暗澹とした文句が書き列ねてある...
火野葦平 「花と龍」
...手前で秋の落葉と散って亡(ほろ)んでしまうのだろう」暗澹と言った...
正岡容 「寄席」
...暗澹とした夕立空の前にクッキリ白い火見櫓が立ち...
宮本百合子 「刻々」
...澹所は釧雲泉(くしろうんせん)と同庚(どうかう)で四十六歳...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...澹は水に従ふ字を用ゐてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...冷澹には見てゐたが...
森鴎外 「妄想」
...そうした惨澹たる世相の中に毅然として能楽の研鑽と子弟の薫育を廃しなかった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...市十郎は暗澹(あんたん)と...
吉川英治 「大岡越前」
...ただいいようもない暗澹(あんたん)なお顔いろであることだけは否めなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...暗澹(あんたん)と世を見失って...
吉川英治 「茶漬三略」
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