...空霊澹蕩(くうれいたんとう)の古趣が自(おのずか)ら漲(みなぎ)っているような画なのです...
芥川龍之介 「秋山図」
...暗澹たる戦雲が再び天地を掩(おお)うに至ると見るのである...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...春色澹として無からむとす...
大町桂月 「月譜」
...八 軽の水を払う者涵澹然たり――軽払レ水者涵澹然...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...暗澹たる想い、というのはその時の私のいつわらざる心持であった...
中井正一 「地方文化運動報告」
...暗澹(あんたん)たる土蔵の中の隅っこで...
中里介山 「大菩薩峠」
...その成績は惨澹たるものであって...
中谷宇吉郎 「『ケプロン・黒田の構想』について」
...ベルリオーズの惨澹(さんたん)たる生活は...
野村胡堂 「楽聖物語」
...闇の筏の各所でいくつものグループに分れて惨澹たる殺戮の場面が演じられた...
久生十蘭 「ノア」
...暗澹と椅子の中に沈み込み...
久生十蘭 「魔都」
...――ああ太平洋上戦雲暗澹(あんたん)たりだ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...本当にこれまで何やら行き詰っていたようで暗澹(あんたん)としていた私の気もちも急に開けだしたような気がしました...
堀辰雄 「楡の家」
...澹泊(たんぱく)に何気(なにげ)なく言ひ出したる処...
正岡子規 「俳諧大要」
...深い水は何か暗澹として掻き曇り...
室生犀星 「名園の落水」
...そして自分の冷澹(れいたん)なのを...
森鴎外 「独身」
...不安で暗澹とした気持だった...
山本周五郎 「契りきぬ」
...その惨澹たる血みどろな姿を大地にべたと伏せたまま...
吉川英治 「三国志」
...外の暗澹(あんたん)たる凄色(せいしょく)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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