...一ところに澱んだままになっていたのだろうか...
モオパッサン 秋田滋訳 「狂女」
...私の心には澱んだ水のような憂鬱な影がさしてきた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...凡てが澱んだままの重苦しいそして静かな一日が続いた...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...重く空気の澱んだむし暑い晩だった...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...重たく澱んだ空気のとばりの中へ足が進んで行き...
原民喜 「海の小品」
...館が厚い石造のところへもって来て窓が小さいから部屋の隅々が澱んだように暗い...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...澱んだような鉛色の水が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...部屋の隅々は澱んだように暗い...
久生十蘭 「魔都」
...からりとした感じは何となく町に薄暗い隈の澱んだところのある気分にかわって...
「朝の風」
...それが又ぞろぞろと溜ったり澱んだりした...
室生犀星 「幻影の都市」
...是は麩を製するとき水の底に澱んだものを...
柳田國男 「食料名彙」
...深淵の澱んだようなモノスゴイ蒼さを見せますけど...
蘭郁二郎 「足の裏」
...硝子箱の底にどろどろと澱んだ腐汁になってしまう……...
蘭郁二郎 「魔像」
...地底のようにシンと澱んだ小屋の中に白々とした...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...ネトネトと口の中で澱んだ言葉を吐棄てた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...見よ! 遙か眼下にどろんと澱んだ山...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...澱んだ水面ではじけるだけである...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...見ている間に一時澱んだ気持もまた少しずつ冴えて来るのを覚えた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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