...その碇泊所一面には一種特別の澱んだ臭いが漂うていた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...ほとんど澱んだようになってしまうのではあるまいか? とこういう意見なのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...私の心には澱んだ水のような憂鬱な影がさしてきた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...重く空気の澱んだむし暑い晩だった...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...澱んだ河の表面が...
林芙美子 「瀑布」
...重たく澱んだ空気のとばりの中へ足が進んで行き...
原民喜 「海の小品」
...澱んだように暗かった土間の片隅を照らしはじめた...
久生十蘭 「海豹島」
...部屋の隅々は澱んだように暗い...
久生十蘭 「魔都」
...澱んだ空氣が呼吸苦しく覺えられだした...
堀辰雄 「旅の繪」
...何んにも見えない真昼の白々しい澱んだ静けさの中で余は...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...からりとした感じは何となく町に薄暗い隈の澱んだところのある気分にかわって...
「朝の風」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...それが又ぞろぞろと溜ったり澱んだりした...
室生犀星 「幻影の都市」
...是は麩を製するとき水の底に澱んだものを...
柳田國男 「食料名彙」
...深淵の澱んだようなモノスゴイ蒼さを見せますけど...
蘭郁二郎 「足の裏」
...地底のようにシンと澱んだ小屋の中に白々とした...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...ネトネトと口の中で澱んだ言葉を吐棄てた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...いま出かけにもああ云うとりましたから……」涙ぐんでいるのかとも見ゆるその澱んだ眼を見ていると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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