...」「おまけに澪(みお)に流されたら...
芥川龍之介 「海のほとり」
...それの留まりそうな澪標(みおつくし)もない...
泉鏡花 「海の使者」
...その話を僕にした時ポロポロ涙を澪(こぼ)して島田の恩を一生忘れないと泣いていた...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...波しづかなる加古河の澪(みを)に小網(さで)ひく蜑(あま)が子よ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...ひろい澪(みお)は...
太宰治 「佐渡」
...鋼(はがね)の波にアベラール沈み鉛の艫(とも)にエロイーズ浮む骸炭は澪(みを)に乗り直立する彼岸花を捧げて走り『死』は半ば脣(くち)を開いて 水を恋ひまた燠(おき)を霊床(たまどこ)とするすべては 緑礬のみづ底に息をつく象牙球(だま)の腹部の内(うちら)側に...
富永太郎 「頌歌」
...しかし彼は暴力の澪(みお)の中に巻き込まれ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...石沢閑斎に娘が一人ある、お澪と言って、十八だが、これは滅法(めっぽう)可愛らしい娘だ」「その通りですよ、親分」「同国の誼(よし)みで、石沢閑斎と周助、身分は違うが昵懇(じっこん)にしているから、お澪はときどき周助のところへ遊びに行く、――そのうちに、つい、お隣の魚屋――若くて威勢がよくて、男っ振りのいい、伝吉と懇意になった」「ヘエ――、そいつは知らなかった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お澪さん、――お前この雪駄を知っているだろうな、――」平次は伝吉の後ろから雪駄を取出して、お澪の眼の前に突きつけます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その後ろ姿を見送る伝吉とお澪...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水車の翼に叩かれた水煙りが澪々と窓掛けに降りかゝつて...
牧野信一 「剥製」
...澪(みお)がしずまるように遠退(とおの)きつつあった...
室生犀星 「津の国人」
...思うには地形に基いて山に从(したが)ったが元の字は標で澪標(みおつくし)のツクシすなわち榜示(ぼうじ)の義であろう...
柳田國男 「地名の研究」
...難波の津の澪標がこれを証明する...
柳田國男 「地名の研究」
...川というよりもむしろ沼地の澪(みお)である...
柳田國男 「地名の研究」
...彼は五番の澪木(みおぎ)の沖で釣っていた...
山本周五郎 「青べか物語」
...どういうわけでお宅で会っているんですか」「その澪(みお)の伝兵衛が...
吉川英治 「春の雁」
...ぽろりと一つ澪(こぼ)れ出た...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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