...どこまでも澄みきっていながら...
有島武郎 「星座」
...やがてどこからともなく澄み切った尺八の音が...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...水は澄み切って底が見えていた...
谷譲次 「踊る地平線」
...空氣は澄み切つて...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...もっとも、天気は昨日と同じように、澄み渡っていた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...池の水はまだ澄みきらず...
豊島与志雄 「崖下の池」
...曇りながら冷たく澄みきってるのみだった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...空は徒らに高く澄み返って...
豊島与志雄 「微笑」
...喜びも悲しみもないただ澄み切った順一の眼が...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...偐紫楼(にせむらさきろう)の燈火(ともしび)は春よりも夏よりも徒(いらずら)にその光の澄み渡る夜(よ)もやや深(ふ)け初(そ)めて来た頃であった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...空は無窮の蒼さに澄み...
久生十蘭 「南極記」
...だが視線は澄み、子供のよう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...陰暦八月の澄み渡った空は...
本庄陸男 「石狩川」
...白雲の影ひとつ見あたらぬ澄みきつた青空であつた...
牧野信一 「南風譜」
...青々と澄み渡つた空を...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...今聞こえるのは音が澄みのぼって重厚なところがあるのは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...高野(こうや)の奥の高野杉には、天上の鳥という頻伽(びんが)の声が、澄みぬいている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...つづらをりはるけき山路登るとて路に見てゆく竜胆の花散れる葉のもみぢの色はまだ褪(あ)せず埋めてぞをる竜胆の花をさびしさよ落葉がくれに咲きてをる深山竜胆の濃むらさきの花摘みとりて見ればいよいよむらさきの色の澄みたるりんだうの花越ゆる人まれにしあれば石出でて荒き山路のりんだうの花笹原の笹の葉かげに咲き出でて色あはつけきりんだうの花また...
若山牧水 「秋草と虫の音」
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