...澁々らしく振り向く...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...或時は故郷の暗いやうな靜かな古家に亡くなつた母も居れば照ちやんもゐていつ迄經つても夜の更けぬ秋の夜長を澁茶を飮んで語り合つてゐるやうなこともあつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...何とも云へぬ澁味のあるもので...
田畑修一郎 「盆踊り」
...澁川驛前にはバスと電車が伊香保行の客を待つてゐる...
寺田寅彦 「伊香保」
...明日午後一時省線澁谷驛のホームで逢はうと書いてきた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...これよりやゝ以前にハイセンベルヒ(獨人)が數學的難澁な經路を踏み...
長岡半太郎 「物理學革新の一つの尖端」
...澁と草津隔つる七里...
長塚節 「草津行」
...澁い茶などを入れてやりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎が出澁(でしぶ)つたのも無理はなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蓋の澁紙を押へた紐は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「其處で訊いて見ようぢやないか、白山權現の境内まで引返すと、茶店位はあるだらう」「へツ、豆ねぢに澁茶で、晝飯代りは難儀ですね」八五郎はまた遠慮の無いことを言ひますが、平次はそれに取合はうともせず、いきなり手近の茶店の縁臺に腰をおろして、八五郎が氣にした豆ねぢと薄荷(はくか)を出させ、ぬるい澁茶に喉を潤(うる)ほします...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...聟入の時使つてそれつきり此部屋の箪笥(たんす)の引出しに投り込んでありましたが――」榮右衞門が答を澁るのはその爲だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は澁い眼を開けました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人にほどこしを澁つてゐるくせに...
林芙美子 「雪の町」
...別亭(はなれ)に澁茶(しぶちや)すゝりながら夫(それ)となき物語(ものがたり)...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
......
三好十郎 「捨吉」
...此柿は或は澁柿のよく熟したのを...
柳田國男 「食料名彙」
...澁柿を甘くする技術のことであつた...
柳田國男 「食料名彙」
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