...敵軍潰乱(かいらん)全線に総退却...
太宰治 「秋風記」
...彼はとりわけ、ほのかに暗いものを愛した、鎧戸((よろひど))閉めて、ガランとした部屋の中、天井高く、湿気に傷む寒々とした部屋の中にて、心を凝らし気を凝らし彼が物語(ロマン)を読む時は、けだるげな石黄色の空や又湿つた森林、霊妙の林に開く肉の花々、心に充ちて――眩暈(めくるめき)、転落、潰乱、はた遺恨!――かゝる間も下の方では、街の躁音(さやぎ)のこやみなく粗布(あらぬの)重ねその上に独りごろんと寝ころべば粗布(あらぬの)は、満々たる帆ともおもはれて!……盗まれた心私の悲しい心は船尾に行つて涎((よだれ))を垂らす、私の心は安い煙草にむかついてゐる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...潰乱(かいらん)せしめた...
吉川英治 「上杉謙信」
...いかに武田軍が一時は危険なる潰乱(かいらん)状態に陥入(おちい)ったか想像に難(かた)くない...
吉川英治 「上杉謙信」
...潰乱混走(かいらんこんそう)を重ね...
吉川英治 「三国志」
...陣地から潰乱して走りだした...
吉川英治 「三国志」
...さんざんに討ちなされて潰乱(かいらん)また潰乱の惨(さん)を呈した...
吉川英治 「三国志」
...曹軍はまったく潰乱(かいらん)に墜ちたが...
吉川英治 「三国志」
...李典の陣形は潰乱(かいらん)を来し...
吉川英治 「三国志」
...山をなすばかりな死傷をおいて三江の要塞から潰乱(かいらん)した...
吉川英治 「三国志」
...長沙の兵は潰乱(かいらん)してたちまち城地の第二門へ逃げこんでしまった...
吉川英治 「三国志」
...潰乱(かいらん)...
吉川英治 「三国志」
...生ける猛獣隊は俄然尾を垂れて潰乱した...
吉川英治 「三国志」
...総軍潰乱を来しているという有様である...
吉川英治 「三国志」
...わけて姜維は潰乱する敵軍深く分け入って...
吉川英治 「三国志」
...潰乱(かいらん)する味方の流れから駈けもどって...
吉川英治 「新書太閤記」
...蜘蛛(くも)の子になって潰乱(かいらん)してしまった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...精鋭な薩南の兵と戦ってひとたび潰乱(かいらん)したら殆ど脱走してしまうだろう...
吉川英治 「日本名婦伝」
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