...左眼(ひだりめ)が潰れた眼の上に度の強い近眼鏡をかけてゐる...
石川啄木 「足跡」
...山高や中折や鳥打やフッドの何れも歪んだり潰れたり焦げたり水を被ったりしたのが一ト山積んであった...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...左眼が潰れたために...
海野十三 「赤外線男」
...自分で開拓した組合は、自分があくまで面倒を見ていて、それが潰れたら、よそへ回して貰えるなんて、そんな甘いことは許されなかった...
高見順 「いやな感じ」
...少し潰れたような黒々とした形を引入れられるように見入っていた...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...何しろ大きな学校が潰れたり...
戸坂潤 「社会時評」
...自分が御前の眼はいつ潰れたのかいと聞くと...
夏目漱石 「夢十夜」
...実を申せば私も仙台の生れ、幼少の折、旦那様と磯見様との果し合いの話は承って居ります」「そうか、――お前も仙台の生れか――」「ヘエ、旦那様が道場を構えなすった、片町の河岸(かし)っぷちで生まれましたが、流れ流れて江戸へ参り、人様の足腰を揉まして頂いて、斯(こ)う細々と暮して居ります」「そうかい、いや、世の中は広いようで狭い、うっかりした事は出来ないな」「ヘッヘヘヘ」黒沢岩太郎の原口作左衛門は、改めて按麿の顔を見詰めましたが、両眼全く潰れた、見る蔭もない若い按摩で、別に害意があろうとも思われません...
野村胡堂 「禁断の死針」
...元は少し世話になった潰れた大家(たいけ)の道楽息子だから...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...膿んだものが潰れたともいって来ないじゃないか...
久生十蘭 「魔都」
...【一つ目小僧がどぶろくに酔い潰れた】時に...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...これが当らないと顔が潰れた連中だ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...地震で潰れたり焼けたりしない前の半年位の間...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...……大地震で彼等の合宿所が潰れた時...
牧野信一 「冬の風鈴」
...そのたびおそろしいほど胸の潰れた今松だった...
正岡容 「寄席」
...横に倒れて潰れたといふ風になって...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...それと同時にぴしやあんといふ潰れたやうな音が川下の方で起つて...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...むろん吉田屋のその座敷で潰れたものと思っていたが...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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