...潮の香の漂った濁った小さな運河を渡って...
有島武郎 「或る女」
...風はなくとも夕されば何処からともなく潮の香が来て...
有島武郎 「かんかん虫」
...潮の香をふくんだ新鮮な空気が...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...潮の香櫂(かい)にけぶらせて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...潮の香のむせるような断崖に育ち...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...内海の潮の香のただよう尾道市の図書館の暗い部屋で...
中井正一 「聴衆0の講演会」
...潮の香のする颱風に乗った豪雨や...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...潮の香に煙草の匂いの交るのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
......
原民喜 「かげろふ断章」
...湿った潮の香(か)にまじった苔の匂いが冷え冷えと座敷にしみとおってきた...
久生十蘭 「ユモレスク」
...ぬくめられる砂から陽炎(かげろう)と潮の香が重く立ちのぼった...
宮本百合子 「明るい海浜」
...潮の香を含んで快かった...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...潮の香が爽やかにしみ込んだ...
山本周五郎 「さぶ」
...かなりつよく潮の香が匂ってきた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...皆の者は共通に匂う潮の香を浴びた思いで柔いだ眼になった...
横光利一 「旅愁」
...鉄板から滴るような潮の香が歩廊の方まで漂った...
横光利一 「旅愁」
...咽(むせ)るような潮の香の白く漂っている暁闇(ぎょうあん)を衝(つ)いて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...あまりに潮の香が強いためか――「また咳(せき)が出るのう」ばばは...
吉川英治 「宮本武蔵」
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