...潤いきった大きな二つのひとみと...
有島武郎 「或る女」
...潤いがあっても味いは無いという事は...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...おのずと潤いを帯びて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...胴に珠のような潤いをもった肩衝の茶入だった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...愛なんてことを二度と仰(おっ)しゃらないで下さい」彼女の声は少しも潤いのない...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...何を見ても潤いと懐かしみとがあるように感ぜられた...
徳田秋声 「あらくれ」
...めっきり顔や目などに色沢(つや)や潤いの出て来たことがお増の目に際立って見えた...
徳田秋声 「爛」
...よくよく見れば潤いがあって...
中里介山 「大菩薩峠」
...性格に潤いというものがなかったようだ――それから……母が...
中里介山 「大菩薩峠」
...漆黒(しっこく)の眸子(ぼうし)は妖しい潤いに光って来る...
中島敦 「妖氛録」
...潤い気(け)のないものが...
夏目漱石 「坑夫」
...けれども潤いのある艶(あで)やかな声を浴びせられて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...葉擦れの音と潤いのある土の香りに胸から飛び出しそうな心臓の鼓動を鎮め様と努めた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...味わいとか、趣きとか、潤いとか、円味とか、温味とか、柔かさとか、これらが器の美につれて繰り返される言葉である...
柳宗悦 「工藝の道」
...座右に置くものとしては一層の親しさや潤いに充ちる...
柳宗悦 「工藝の道」
...この港に一沫(いちまつ)の潤いを与え...
柳宗悦 「全羅紀行」
...その眼の潤いが情熱的にみえた...
山本周五郎 「青べか物語」
...それによって潤いある春の大気の感触と春の風の柔らかい吹き方とが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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