...潤いきった大きな二つのひとみと...
有島武郎 「或る女」
...そうして味いのある歌に潤いが無いということも考えられない...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...ただ味いの無い佳作という事は容易に想定が出来ないに反し潤いの感じは無くても...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...歌に潤いが無いということをもって...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...予の好みはその叫びの声が今少し潤いを帯びてありたいのである...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...その味いも潤いも極めて自然な所以(ゆえん)である...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...一椀(わん)喉吻(こうふん)潤い...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...両岸には人家や樹陰の深い堤があるので、川の女神は、女王の玉座から踏み出しては家毎の花園の守神となり、自分のことを忘れて、軽い陽気な足どりで、不断の潤いを、四辺(あたり)のものに恵むのです...
ラビンドラナート・タゴール Rabindranath Tagore 宮本百合子訳 「唖娘スバー」
...余りきらきらする潤いが有り過ぎるような目の中から耀(かがや)いて見える...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...ばさばさしたような目に潤いがなかった...
徳田秋声 「あらくれ」
...何を見ても潤いと懐かしみとがあるように感ぜられた...
徳田秋声 「あらくれ」
...新聞紙の本来の自由主義的色調に多少潤いを与えるような条件がなくもないからであろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...加うるに柔らかな潤いをもっている...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...潤いがあって、どことなしに強いところがあって、その上に一段と高尚で、それからこの古雅な趣(おもむき)……よく見れば見るほど刃の中に模様がある」「どうぞ御免あそばしませ」「お銀どの、そなたはこの刀にお見覚えはござらぬか」「ええ」「この刀……」「ええ、このお刀に、わたくしが、どう致しまして」「それ故に篤(とく)と御覧なされいと申すのじゃ、怖がっておいでなさるばかりが能ではない、気を落着けて御覧なされい」「それに致しましても、どうしてわたくしが、このお刀を存じておりましょう」「もしそなたが知らぬならば、そなたの家の幸内という者が知っている、その刀がこれなのじゃ」「ええ?」「これは伯耆(ほうき)の安綱(やすつな)という古刀中の古刀、名刀中の名刀じゃ」「ええ! これが伯耆の安綱?」「打ち返してよく御覧なされい」ここに至ってお銀様は、一時(いっとき)恐怖の念がいずれへか飛び去って、眼の前に突きつけられた伯耆の安綱の刀に、ずっと吸い寄せられました...
中里介山 「大菩薩峠」
...潤いのある眼、天鵞絨のような眼、砂糖のような眼、まだその上に一体どんな眼がないというのだ! きつい眼に、やさしい眼、うっとりした眼、それから誰かが言ったように婀娜っぽい眼、婀娜っぽくはないが、婀娜っぽい以上にすごい眼――こいつが男の胸に触れたら、まるで琴線に弓が触れたように高鳴るのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...島田というところも潤いのないところですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...機械製品が冷やかであり潤いのないのはここに起因する...
柳宗悦 「工藝の道」
...丁寧な潤いのない返事をする...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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