...智恵子は樹々の間を其方(そなた)に抜け此方(こなた)に潜る...
石川啄木 「鳥影」
...黙って天秤(てんびん)の下へ潜ると...
泉鏡花 「婦系図」
...洞(あな)の中に潜ることも出来なかった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...秋の水を潜る魚鱗(ぎょりん)のようにひらめく...
中里介山 「大菩薩峠」
...最後の息を八分位静かに呼き出したところでぐつと潜る...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...同じ人の門を潜る事が多くなった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...生か死か――水を潜る三人「僕が行って見て来ようか」健一はもう潜る仕度を始めました...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...先を潜るようにいろいろの事に気が付きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そっと潜るように入り込んだのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一たびその門を潜ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...思想界の門を潜ることはできないであろう...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...社会の底深く潜ることさえ出来る...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...』若子さんが人と人との間を潜る様にして...
広津柳浪 「昇降場」
...下るにしたがって雪はぐんぐん潜る度を増して...
松濤明 「春の遠山入り」
...古いがっしりした都門を潜ると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...殊に自分は燈火すくなき場末の小路の探偵小説を連想せしめる様な怪しき暗を潜る事が無上に好きである...
村山槐多 「殺人行者」
...それこそ屠所の羊の思いで翁の門を潜ると...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...香潮は美留藻(みるも)よりも潜るのが下手だったと見えまして...
夢野久作 「白髪小僧」
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