...智恵子は樹々の間を其方(そなた)に抜け此方(こなた)に潜る...
石川啄木 「鳥影」
...洞(あな)の中に潜ることも出来なかった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...導電体(どうでんたい)を伝わって地中へ潜るのです...
海野十三 「科学が臍を曲げた話」
...そこを潜ると、黴(かび)くさい真暗な倉庫の中に出る...
海野十三 「東京要塞」
...友達の腕前では「飛込み」をやれば必ず一間以上潜るにきまっている...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...(かやうな姿の芥川は鵠沼の暮し以後のものであらう)話しのまま芥川の家の門を潜ることにきめてると...
小穴隆一 「二つの繪」
...下へ潜ることも出来ず...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...先を潜るようにいろいろの事に気が付きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...外に入るところはないから――」「突き當りの枳殼垣(からたちがき)は潜るか越すか出來ないものかな」「潜るやうな穴はない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大地へ潜る術(て)はないぜ錢形の」「三輪の親分が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ツと闇を潜るやうに逃げて行く後ろから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...*51精神の透明な世界の門口を潜る前に...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...』若子さんが人と人との間を潜る様にして...
広津柳浪 「昇降場」
...海の暗闇の中に潜るあの獣になりたい...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...更に降つて町端れのガードを私達は潜るところだつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...門の扉を潜ると百日紅の繁茂した林の下を脱けて明るい築山へ登り...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...クレテの海底に埋没したカビールの女王の腰帯を索(もと)めに水底を掻き潜る長呼吸(いき)の選手の名だ...
牧野信一 「南風譜」
...七八つの子供から六十歳以上の老人に到るまで苟(いやしく)も翁の門を潜るものは一日も休む事なく心血を傾けて指導した...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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