...從つて如何なる事物にも一定の光の下には美しく見ゆべき條件が潛んでゐることも亦爭はれぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...實在に沈潛する力とを奪はれるに違ひない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...だから自己沈潛の經驗を語るに際して僕の意識が「人交ぜ」をするやうになるのはやむを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...高いもの其ものゝ中に潛む卑しさとを拵へて居るのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...併し僕は無意識の偉大や碎かれたる心や自己沈潛を自分自身の十分領得してゐる境地として説いた覺えはない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...潛(くゞ)り門(もん)はぴたりと閉(しま)つた...
泉鏡太郎 「畫の裡」
...あの深(ふか)い山岳(さんがく)の奧(おく)には屹度(きつと)何(なに)か怖(おそろ)しいものが潛(ひそ)んでゐるに相違(さうゐ)ないと考(かんが)へた...
伊東忠太 「妖怪研究」
......
伊良子清白 「孔雀船」
...堪らないので又雪の下に潛り込む...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...河骨(かうほね)の夏を夢みて、ほくそ笑む水底の宮、潛(かつ)ぎ姫、「歸依(きえ)」の掬むなる常若(とこわか)の生命湛ひぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...潛かに御邊が父左衞門殿に...
高山樗牛 「瀧口入道」
...山櫻の大木の根もとが廣い虚(うろ)になつてゐるのに潛り込んで...
太宰治 「お伽草紙」
...刺戟(しげき)に乏(とぼ)しい或物(あるもの)が潛(ひそ)んでゐる樣(やう)な鈍(にぶ)い訴(うつたへ)があつた...
夏目漱石 「門」
...英國汽船アシニア號がドイツの潛水艦に撃沈された...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...潛戸の上のあたりを念入りに調べましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何となく不安な空氣が沈潛してゐた...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...いままで潛伏してゐた幻(イマアジュ)が浮び上るのだ...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...彼は自分の歸つてゆく先に潛んでゐる暗い氣持ちが浮んで來た...
横光利一 「悲しみの代價」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??