...從つて如何なる事物にも一定の光の下には美しく見ゆべき條件が潛んでゐることも亦爭はれぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...内に内にと沈潛して行くことによつて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私は兎に角何ものかに沈潛するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...殊に碎かれたる心と自己沈潛の心とは僕が切に待望し乍らも未だ到達し得ざる境地として...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...門外(もんそと)の柳(やなぎ)を潛(くゞ)つて...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...月(つき)ならぬ眞晝(まひる)の緋葉(もみぢ)を潛(くゞ)つて...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...潛(くゞ)り門(もん)がキイと開(あ)くと...
泉鏡太郎 「畫の裡」
...心の底に潛みたる「恐(おそれ)」によりてふるひつゝ...
ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri 上田敏訳 「ありとあらゆるわが思」
...東京ならば寒い戸外を急いで歩く時皮膚の表面は如何に冷くとも體内に抵抗力が潛んでゐて...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...潛かに御邊が父左衞門殿に...
高山樗牛 「瀧口入道」
...其時潛む場として...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...其爻辭の中に潛龍・見龍・飛龍・亢龍・群龍と五種を含んでゐる...
内藤湖南 「易疑」
...大部分は一度支那を潛つて來て居ります...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其二)」
...御米(およね)も夫(をつと)の鼻(はな)の穴(あな)を潛(くゞ)る烟草(たばこ)の煙(けむ)を眺(なが)める位(くらゐ)な氣(き)で...
夏目漱石 「門」
...横手の潛戸(くゞり)の上が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かう先を潛(くゞ)りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それが潛在意識として態度に現はれ...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...滯歐中の追懷は、彼の心に潛んで、その一生を暗くする女難の怖れを説明し、主人公をして單に紀行文の筆者、又は寫生的に描いた文章の主要人物よりも一歩進んだものとして浮ばせ度い爲めの背景なのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
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