...それが何日か続いた今日、かうして師匠の枕もとで、末期の水を供する段になると、道徳的に潔癖な、しかも存外神経の繊弱な彼が、かう云ふ内心の矛盾の前に、全然落着きを失つたのは、気の毒ではあるが無理もない...
芥川龍之介 「枯野抄」
...潔癖な彼が、どんな風に誤解しないとも限らない...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...潔癖などということは...
太宰治 「如是我聞」
...中野重治は言葉の勘に実に潔癖な評論家である...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...自我主義の潔癖な彼女は...
豊島与志雄 「条件反射」
...愚図々々に二人女から遠ざかって良い子になろうという金之助の態度に潔癖な平次は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...氏家さんを助けられませんよ」「氏家さんは潔癖な方で...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...潔癖な眞鍋にはそこまでつきつめてはゆけない...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...潔癖な自意識を最も忠実な使者とする...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...いつも潔癖なる自意識が見張りしていた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...僕は潔癖な自意識の冷たい身ずまいと共に...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...三億円ばかり回収不能になった……大池氏は潔癖なひとだったようで...
久生十蘭 「肌色の月」
...妊娠六ヶ月位になっていたではないか! 之が潔癖な昔堅気な...
松永延造 「職工と微笑」
...という順序に総てが整然とした父の潔癖な性格と...
室生犀星 「幼年時代」
...昔からふしぎなくらい女には潔癖な方ですが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...安芸は単に一徹で潔癖な老人になってしまった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...観念に悩まされた一同の過去に対する潔癖な逆襲がひそんでいた...
横光利一 「旅愁」
...母は父以上に潔癖なひとである...
吉川英治 「私本太平記」
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