...潔(いさぎよ)く元氣よく別れよう...
石川啄木 「雲は天才である」
...日本人の心は富峰とともに潔し第四六...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...盲人なるが故にかくのごとく潔癖だったのでもあろうがまたこういう人が盲人であったとすると身の周りの世話をする者の心づかいは推量に余る...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...輕症者たちは沐浴して身を潔め...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...心は潔白なんだからさ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...他人よりも純潔な本能を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今時は芝居でよく見る形、悪党がかけ合いをする時の常作法、尻をマクルというやり方を舞台では見るが、本場はこれがはじめて、下品極まる伝統的作法ではあるが、下品のうちにも作法は作法、こうしたものかと見ていると、「まず壺振りの芸当始まり――こうして諸肌(もろはだ)ぬぎの、本式は諸肌なんですが、ここは片肌で御免を蒙(こうむ)りやすよ、こう尻をヒンマクる、これ壺振りの作法でござんして、つまり、こりゃ野郎のみえでするんじゃございません、さあ、この通り潔白、頭のてっぺんから、毛脛(けずね)の穴まで見通しておくんなせえ、イカサマ、インチキは卯(う)の毛ほどもございやせん、という、潔白を証拠立てるヤクザの作法の一つなんでさあ――」と説明を加えたことによって、関守氏がまた改めて覚りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...潔く身を退くべきに...
中島敦 「弟子」
...清潔な人間の体臭に及ぶものなく...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...それにはフリーダの毛のショールでみごとなくらい清潔に被いがかけられていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...貞潔なひとだと思われていたので...
久生十蘭 「あなたも私も」
...かかる不潔なる仕事をしながら...
火野葦平 「糞尿譚」
...婬猥(いんわい)不潔...
福沢諭吉 「新女大学」
...大きな砂川で水が清くて浅くて岸が低いと来て居るから重宝で清潔でそれで危険がない...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ヴェニスの都心での不潔なできごとに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...不正不潔と呼ばざるを得ないことになる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...同時にまた「十八歳」という年齢の純粋な潔癖さがなければできなかったろう...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...どこまでも潔白なお方と信じ切っていたのでした...
夢野久作 「少女地獄」
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