...七日(なぬか)も漾(たゞよ)ひつゝ...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...流るる水に漾(ただよ)うのであろう...
泉鏡花 「海の使者」
...其(そ)の荒海(あらうみ)に漾(たゞよ)ふ風情(ふぜい)に...
泉鏡太郎 「艶書」
...漂々として波に漾(ただよ)えるがごとく顕(あらわ)る...
泉鏡花 「海神別荘」
...およそ似つかしからぬ艶めいた香を漾(ただよ)わせるのだった...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...○洞庭(とうてい)○赤壁(せきへき)○潯陽(じんやう)○楊子(やうし)の海の如き四大江(だいこう)を蕩漾周流(たうやうしうりう)して朽沈(くちしづま)ず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...一つの仮象の中に閑暇の中に漾游している...
中井正一 「物理的集団的性格」
...僕も漾虚集丈でつきた譯でもないから是から又何ぞかく積りで居る...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...女は長い睫(まつげ)の奥に漾(ただよ)うているような眼で鴉を見詰めながら「あの鴉は五羽います」といったぎり小供の問には答えない...
夏目漱石 「倫敦塔」
...彼はそこの家に漾(ただよ)う空気の異状さに感づいた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...がしかし清二は彼の顔に漾う苦悶(くもん)の表情をみてとって...
原民喜 「壊滅の序曲」
...何処からともなしに鬼気が漾ってゐた...
原民喜 「虹」
...僕は宙に漾つてゐて...
原民喜 「火の子供」
...おおらかな感銘の漾(ただよ)っているのも束(つか)の間(ま)で...
原民喜 「冬日記」
...漾々(ようよう)として波のまにまにただよい...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...物悲しい微笑を漾(ただよ)わしている博士の顔を仰いだが又...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...猥雑(わいざつ)な顫律(せんりつ)を漾(ただよ)わせて...
吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」
...腥(なまぐさ)く漾(ただよ)っているのだった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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