...春水欄前に虚碧(きよへき)を漾(ただよ)はせ...
芥川龍之介 「「鏡花全集」目録開口」
...七日(なぬか)も漾(たゞよ)ひつゝ...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...静(しずか)に揺って動く流の音に漾(ただよ)わされて...
泉鏡花 「遺稿」
...脚が搦(から)んで漾(ただよ)う処へ...
泉鏡花 「婦系図」
...水のまにまに漾(たゞよ)へば...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...画房や前栽(せんざい)に漾(ただよ)う一種異様な蕭散(しょうさん)の気分に浸らなければその画を身読する事は出来ないが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...○洞庭(とうてい)○赤壁(せきへき)○潯陽(じんやう)○楊子(やうし)の海の如き四大江(だいこう)を蕩漾周流(たうやうしうりう)して朽沈(くちしづま)ず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...『漾虚集』本屋より既に献上仕り候やちょっと伺い候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...何か憂鬱(ゆううつ)な媚(なま)めかしさの雰囲気(ふんいき)がそこはかとなく漾(ただよ)っていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...その波に漾(ただよ)いながら独身時代の庸三の青壮年期も...
徳田秋声 「仮装人物」
...僕も漾虚集丈でつきた譯でもないから是から又何ぞかく積りで居る...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...私はどうせ波の上に漾ふ一片の花瓣のやうなものです...
原民喜 「淡雪」
...函から喰み出た玉葱があたりに漾つてゐた...
原民喜 「夏の花」
...ふと仄明(ほのあか)りに漾(ただよ)っているボートが映る...
原民喜 「火の唇」
...おおらかな感銘の漾(ただよ)っているのも束(つか)の間(ま)で...
原民喜 「冬日記」
...他の火は水平に連(つらな)りて蕩漾(とうよう)するも...
武者金吉 「地震なまず」
...部屋の中に漾(ただよ)うている桃色の光りを白眼(にら)みまわした...
夢野久作 「白菊」
...漾(ただよ)って来た――と同時に若い女の後姿が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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