...折角(せっかく)橋を渡りかけた素戔嗚の心を蕩漾(とうよう)させた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...然しその河は漾々(ようよう)として無辺際から無辺際へと流れて行く...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...廂(ひさし)に漾(たゞよ)ひ羽目(はめ)に靡(なび)いて...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...ただ漾々と身辺に動いてゐる...
太宰治 「お伽草紙」
...書齋をかへる時は大騷ぎ中川先生と今一人を手傳にたのみたいと思ふ 艸々不一六月六日金三重吉樣三六六明治三十九年六月十九日 午後六時―七時 本郷區駒込千駄木町五十七番地より廣島市猿樂町鈴木三重吉へ 漾虚集の誤植御報知難有候三版には大分正さねばならぬ...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...右左へ漾(ただよ)いながら...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...ジュと音がして艪(ろ)の足で掻き分けられた浪(なみ)の上を揺(ゆ)られながら漾(ただよ)っていった...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...火事は構わぬが今心の眼に思い浮べたの中にはクララの髪の毛が漾(ただよ)っている...
夏目漱石 「幻影の盾」
...私はどうせ波の上に漾ふ一片の花瓣のやうなものです...
原民喜 「淡雪」
...がしかし清二は彼の顔に漾う苦悶(くもん)の表情をみてとって...
原民喜 「壊滅の序曲」
...何処からともなしに鬼気が漾ってゐた...
原民喜 「虹」
...山の端には赤く濁った雲が漾(ただよ)っていた...
原民喜 「廃墟から」
...どこからともなしに死臭の漾(ただよ)って来るのが感じられた...
原民喜 「廃墟から」
...これらの花々は過ぎ去った日の還らぬことどもを髣髴と眼の前に漾わす...
原民喜 「夢と人生」
...諏訪湖水面漾々たり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...琉璃鏡面漾新晴...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...漾(ただよ)って来た――と同時に若い女の後姿が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...馥郁(ふくいく)たる香気(こうき)すら漾(ただよ)っているのが感じられた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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