...漸(ようや)く岩屋島へ着くのである...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...上るに從ひて、櫻の木漸く大也...
大町桂月 「小利根川の櫻」
...一代ごとに漸々(ぜんぜん)人間の種族を改善してゆこうという考えに基づいたもので...
丘浅次郎 「民種改善学の実際価値」
...昨日は古新聞を賣つて漸く藥を買つたさ...
高濱虚子 「俳諧師」
...M―子が漸とのことで捜し当てた...
徳田秋聲 「和解」
...漸次に其の醗酵力の消滅するを待つのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...」と叔父は漸々安心したらしく答えた...
豊島与志雄 「恩人」
...そうして漸(ようや)くそれを出版する丈(だけ)に纏(まと)めたのだそうですね...
「岡本一平著並画『探訪画趣』序」
...そいつはいつのことだ」銭形平次も漸(ようや)く本気になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次も漸くその事件を思ひ出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...不安定な境遇から漸くここまで辿りついて...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...地下の光景が漸く灰の中からはつきりと浮んでくる...
堀辰雄 「クロオデルの「能」」
...それから漸く森の中程まで来たとき...
堀辰雄 「菜穂子」
...漸つと男が外套を着たまま出て來た...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...地方的なそれから忽ち全国的な恐慌――そして一面には公衆の探偵小説的興味へと漸時に拡大波紋して往った...
牧逸馬 「双面獣」
...白鳥の言葉なんて忽ち忘れてしまつて――そして漸く半ばまで稿が達した時分に...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...長いこと困難に困難を重ねたのち漸くレギオム市を奪取するや...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...漸次カソリックを応援する方向に徐徐に向きつつあることだった...
横光利一 「旅愁」
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