...漸く七八月の頃稻の穗が出る時分には洪水が出て...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...今や漸く多數の認識するの所となれりと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...依子は漸く立ち上った...
豊島与志雄 「子を奪う」
...この間の翻訳を漸(ようや)くの事で月末までに片付けたら...
夏目漱石 「それから」
...であるから近頃に至って漸々(ようよう)運動の功能を吹聴(ふいちょう)したり...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ところで下手人の目星は?」「漸く付きました」「それは豪儀だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――それ喧嘩だッ――という人だかり」「…………」「漸(ようや)くハネ退(の)けて飛起きると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...漸(やうや)く判つたのはたつた今だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...クルリと廻つて羽目板を力に漸(ようや)く立直りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...最近漸く大學豫科の一年生位に入門して來た...
萩原朔太郎 「初めてドストイェフスキイを讀んだ頃」
...親々の意見は漸((やうや))く義理の様((やう))にからまりて...
樋口一葉 「琴の音」
...それから一年も立ったこの二月のはじめになって漸(や)っと「さし上げますから」と言ってきた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...そんな雨が漸(や)っと霧に似だした或る早朝...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...」私は漸く言葉を発し得た...
牧野信一 「心象風景」
...彼は早くも踏み迷つた後である故漸く意気を新にしたならば...
牧野信一 「浪曼的時評」
...それからこのモウソウチクで薩摩を起点として漸次に我国各地に拡まって...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...漸次にかかる感情を弱める傾向の最も強いものであり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...薫は漸く僧に近い心になりかかった時に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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