...漸々(やうやう)女中の入つて来たのは...
石川啄木 「菊池君」
...漸(ようや)く沖合いのうすぐらくなるにつれ...
太宰治 「地球図」
...漸くそれは同じ種族の群であるといふことがわかつた...
田山花袋 「歸國」
...するうちに彼女は漸く静まった...
豊島与志雄 「神棚」
...涼味少しく樹に生じ虫声漸く多し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...漸(ようや)く学校は卒業したが...
中谷宇吉郎 「由布院行」
...さう的確(きつぱり)御断(おことわ)りなさらうとは思ひ掛(が)けないんですもの」と梅子は漸(やうや)くにして云つた...
夏目漱石 「それから」
...「実は――」花房一郎は漸(ようや)く口を開きました...
野村胡堂 「女記者の役割」
...どんなに嬉しかったかということ――」女の言葉は漸(ようや)く滑らかになりました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...その晩も漸(やうや)く新太郎を寢かし付けて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この時漸(ようや)く三十二三...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夏も漸く終わりに近づいた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...漸くこの三年以來のことに屬する...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...漸く奴には分ったんだ...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...漸(やっ)と安心して...
二葉亭四迷 「平凡」
...彼が漸(や)っとそれから背をもたげたときは...
堀辰雄 「菜穂子」
...川蟹は毛布をかむり漸くぐっすりと睡った...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...見覚えのある活気を漸次鮮明に泛べて来た...
横光利一 「旅愁」
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