...邪宗門の宗徒とは申しながら、親心に二(に)無き体(てい)相見え、多少とも哀れには存じ候へども、私情を以て、公道を廃す可(べか)らざるの道理に候へば、如何様(いかやう)申し候うても、ころび候上ならでは、検脈叶(かなひ)難き旨、申し張り候所、篠、何とも申し様無き顔を致し、少時(しばらく)私顔を見つめ居り候が、突然涙をはらはらと落し、私足下(あしもと)に手をつき候うて、何やら蚊の様なる声にて申し候へども、折からの大雨の音にて、確(しか)と聞き取れ申さず、再三聞き直し候上、漸(やうやく)、然らば詮無く候へば、ころび候可き趣(おもむき)、判然致し候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...漸(ようや)く平熱に復しつつあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それでも漸(ようや)く須磨の方は明日にすると云うことになって...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それで道綱の泣聲は漸くとまつた...
田山花袋 「道綱の母」
...漸(やっ)と見つけた愛宕(あたご)の方の或る印判屋の奥の三畳一室(ひとま)を借りることに取決め...
徳田秋声 「あらくれ」
...母は永年、頑固に郷里の家を守っていたが、去年、神経痛を病み、漸く上京した...
外村繁 「日を愛しむ」
...目(め)の不自由(ふじいう)な彼等(かれら)は漸(やうや)くのことで自分(じぶん)の求(もと)める家(いへ)に就(つ)いても板(いた)の間(ま)の端(はし)などにぽつさりとして膳(ぜん)の運(はこ)ばれるのを待(ま)つて居(ゐ)るので一同(どう)の腹(はら)が滿(み)たされて再(ふたゝ)び杖(つゑ)に縋(すが)るまでには面倒(めんだう)な時間(じかん)を要(えう)するのである...
長塚節 「土」
...――それ喧嘩だッ――という人だかり」「…………」「漸(ようや)くハネ退(の)けて飛起きると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その頃漸(ようや)く江戸の町を我物顔に横行して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「漸くお燗が出来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何という騒ぎでしょう」お銀は漸く顔を挙げました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼は漸く兄に借金のことを話しかけてみた...
原民喜 「永遠のみどり」
...一月八日(水曜)四時近くに眠ったと思ったらすぐ地震で眼をさまし、漸くねて、今朝は十一時半迄...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...漸(ようや)く任が果てて...
堀辰雄 「曠野」
...今まで小止みなく降つてゐた梅雨らしいのが漸く上つたやうなので...
堀辰雄 「緑葉歎」
...その間に漸く私の進歩はその臀部から背筋を逼つて首根に達し...
牧野信一 「夜見の巻」
...彼は此の頃漸く自然の美しさが彼なりに分りかけて來たやうに思はれた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...我々が漸く国民党内部で一仕事しようとした過去の迷夢からさめたときは...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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