...黄金火の漲る都会を眼がけて走り寄るのは当然である...
石川三四郎 「吾等の使命」
...そして空気に漲る騒擾と不穏の気配を...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...一方にはきわめて消極的な涙もろい意気地(いくじ)ない絶望が漲るとともに...
田山花袋 「一兵卒」
...白い埃がぱつとあたりに漲るやうに(あが)つた...
田山録弥 「草みち」
...そのもくもくと漲るやうにわき出してゐる清水を眺めた...
田山花袋 「道綱の母」
...それと同時に窕子の頭にはいろいろなことが一杯に漲るやうにあつまつて押寄せて來た...
田山花袋 「道綱の母」
...内に漲る力、中から盛りあがってくる精神が、新たな建設には必須の条件である...
豊島与志雄 「神話と青春との復活」
...或は山江水漲る間を通して足利にいる...
長塚節 「草津行」
...漲る瘡蓋(かさぶた)模様のやうに...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...海さへ為にふくれ上つて信濃川の漲るやうな心持が北海の上にも見られた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...驚愕(きょうがく)の色が漲るのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...全體に漲る若々しい詠嘆的なところがわれながら懷しいので...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...精悍の気が漲るというのも「眉宇の間」ですもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...己の口一ぱいに血が漲るのを感じた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...色セメントや色ペンキで近代様式の数寄(すき)を凝らした家並み……意匠の変化を極めた飾窓……往来に漲る光りの洪水……どよめき渡る電車...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...殺気漲る手術室だ...
横光利一 「欧洲紀行」
...夕日に漲る海面を下にしたバルコオンで食事の支度を待つのだった...
横光利一 「旅愁」
...漲る雨水の中に立往生してしまうことなどもままあった...
吉川英治 「三国志」
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