...劇薬らしい鋭い匂ひが室中に漲つた...
有島武郎 「お末の死」
...言ひ知らず怪しき情漲り起れり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...士魂商才の其商才に屬する氣分の漲つた町であつた...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...「これは大變な事になつた」といふ戰慄するやうな感じが全身に漲つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...五月頃は水田に水がまんまんと漲(みなぎ)つてゐて...
高村光太郎 「智恵子抄」
...ともかくその顔には争われぬ安堵の色が漲(みなぎ)っていた...
橘外男 「逗子物語」
...久堅町(ひさかたまち)の低い地には数多(あまた)の工場の煙筒(えんとつ)が黒い煙を漲(みなぎ)らしていた...
田山花袋 「蒲団」
...彼女は突然頬に血を漲らし...
豊島与志雄 「非情の愛」
...目の届くかぎり浅草の裏田圃は一面に稲葉の海を漲(みなぎ)らしている...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...部屋の中には明るい感じが漲つた...
南部修太郎 「病院の窓」
...歡喜と希望とを惜し氣もなく家中に漲(みなぎ)らせます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...突然あたり一杯に生命感が漲ることがあつた...
原民喜 「魔のひととき」
...昨今歳暮気分に漲って...
宮本百合子 「暮の街」
...光漲るなかに何と大きい精神の慰安が在ることでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自責(じせき)から来た深刻な決意が眉にも漲(みなぎ)っていた...
吉川英治 「黒田如水」
...一方は渺々(びょうびょう)たる江水(こうすい)天(てん)に漲(みなぎ)り...
吉川英治 「三国志」
...蒼白(あおじろ)く漲(みなぎ)っている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...戦捷の意気が漲(みなぎ)っていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
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