...額の禿(は)げ上(あが)った顔中に当惑そうな薄笑いを漲(みなぎ)らせていた...
芥川龍之介 「寒さ」
...その時私は彼の顔にちらりと悒鬱(いふうつ)な色が漲つたやうに思つた...
有島武郎 「骨」
...頭の上には瀑布(たき)の水漲り落つる如くなりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...河身を見れば濁水巨巌(きょがん)に咆哮(ほうこう)して正(まさ)しく天に漲(みな)ぎるの有様...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...漲ぎりわたる一種名状すべからざる異様の臭気を吸ふて...
石川啄木 「閑天地」
...限りなき愛嬌を顏一杯に漲らして...
石川啄木 「菊池君」
...どこかまだ燃えつきぬ若さが漲(みなぎ)っていた...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...久堅町(ひさかたまち)の低い地には数多(あまた)の工場の煙筒(えんとつ)が黒い煙を漲(みなぎ)らしていた...
田山花袋 「蒲団」
...山の手の賤妓は揮発油(きはつゆ)の匂を漲(みなぎら)してお座敷に来り...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...暴(ぼうれい)の気がおのずから漲(みなぎ)っているではないか...
中島敦 「弟子」
...彼(かれ)はさういふ時(とき)おつぎでも與吉(よきち)でも「爺(ぢい)よう」と喚(よ)んでくれゝばふいと懶(ものう)い首(くび)を擡(もた)げて明(あか)るい白晝(はくちう)の光(ひかり)を見(み)ることによつて何(なん)とも知(し)れぬ嬉(うれ)しさに涙(なみだ)が一杯(ぱい)に漲(みなぎ)ることもあるのであつた...
長塚節 「土」
...その証拠(しょうこ)にはここに始めて生き甲斐(がい)のあると思われるほど深い強い快よい感じが漲(みなぎ)っているからである...
夏目漱石 「思い出す事など」
...江戸の裏町らしい活気は漲(みなぎ)ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...黒い水の壁に沿うて漲(みなぎ)りあふれる金色(こんじき)の輝きとなって流れ出し...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...あれ程単純に山路ふみ子の柄にはまった達者さだけを漲らしてしまわないでもよかった...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
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室生犀星 「愛の詩集」
...明方の灰色な空気が漲(みなぎ)ってまだ人影はない...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...水の漲(みなぎ)っている雨の夜など...
吉川英治 「新書太閤記」
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