...昼ならば蘭の花漬け、芹の味噌漬け、柚味噌(ゆずみそ)の看板の出て居る円徳院の門も、夜なので暗く静かにひそまり返って、東側の高台寺は高い石段の奥深く、更に又この静かな町からも遠く離れて眠って居る...
岩本素白 「六日月」
...即今無だから!私のつけた辛子漬(カラシヅケ)はうまい...
種田山頭火 「行乞記」
...――――――――――――――――――――――――――――――白菜の新漬のおいしさ...
種田山頭火 「其中日記」
...召使に臭くなった塩漬肉を食わしもしまい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...別けても小さい者達は眼の上までサルビヤや葱に漬かっていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...唯生肴(ローフイツシユ)(刺身の事であらう)と漬物(ピツクル)の一種(澤庵らしい)だけはまだ好きになれぬ』といつてゐた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...夏季(かき)の忙(いそが)しいさうして野菜(やさい)の缺乏(けつばふ)した時(とき)には彼等(かれら)の唯一(ゆゐいつ)の副食物(ふくしよくぶつ)が鹽(しほ)を噛(か)むやうな漬物(つけもの)に限(かぎ)られて居(ゐ)るので...
長塚節 「土」
...番頭の正次郎殺しもすぐ判る」平次は河童の塩漬の中にも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どのくらい囚(とら)われていたか分からない、薬漬けのことも...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...其處には干物や福神漬や葡萄酒の空鑵(あきくわん)などがごた/\と置かれてあつた...
正宗白鳥 「母と子」
...それからパンを牛乳の中へ砂糖を加えて漬けておいてこの衣で揚げてもよし...
村井弦斎 「食道楽」
...寿女が箸をつけた漬物へは決して箸を出さないという風であった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...つまり漬物は年を越すように塩辛くつけるのを...
柳田國男 「食料名彙」
...一度水で煮てから塩に漬けておくものを...
柳田國男 「食料名彙」
...――うちのような貧乏世帯では貧乏人相応の知恵をはたらかせなければやっていけませんよ」漬け物などを多量に買うときには娘を伴(つ)れてゆき...
山本周五郎 「季節のない街」
...不味(まず)そうに茶漬を喰べたあと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...五年漬の梅干みたいな顔をして生れ落ちたこの子は...
吉川英治 「新書太閤記」
...焼け跡の味噌や沢庵漬も掘りつくし...
吉川英治 「日本名婦伝」
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