...何うにかしなければ』さう云ふ漠然とした...
伊藤野枝 「惑ひ」
...やっぱり漠然としたことしか分らなかった相です」「精虫は?」「それは...
江戸川乱歩 「悪霊」
...そしてこの新しい生活についての彼等の考へはごく漠然としたもので...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...そして「自然は簡単を愛す」と云ったような昔の形而上的な考えがまだ漠然とした形である種の科学者の頭の奥底のどこかに生き残って来た...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...或る漠然とした一種の気掛りだった...
豊島与志雄 「狐火」
...あとはただ漠然とした言葉となって現われた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...精神的な漠然とした苦悶を覚える...
豊島与志雄 「反抗」
...彼は漠然とした恐れを懐いた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...彼について漠然とした危懼を感じていた...
豊島与志雄 「別れの辞」
...意味の掴(つかま)えどころなく漠然としたものはないであろう...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...或は狩人(かりうど)や密獵者に發見されはしないかといふ漠然とした恐怖を感じた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...昼間は完全に意識することの出来ないような薄暗い場所にむらがる漠然とした考えのうちに影をひそめてしまった...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...漠然とした話に苦笑いだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...官は盲滅法としか思われない漠然とした土地をにべも無げに指定した...
本庄陸男 「石狩川」
...イシカリの街にとっては漠然とした不安になった...
本庄陸男 「石狩川」
...小説を書いたといふことで僕が漠然としたおそれを抱いてゐた変な堅苦しさは少しも感ぜられず...
牧野信一 「「三田文学」と巌谷夫人」
...何も先のことが判っているわけではないから漠然としたところもあって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...漠然とした考えに...
山本周五郎 「契りきぬ」
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