...漠々として何も無いのだよ...
梅崎春生 「風宴」
...六日は早朝から細雨漠々とけむるなかを...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...波濤漠々として前途茫たり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...然し永遠の相は、霧の中に没し去って、その重みのため、瞬間が引歪められ、引歪められ……遂には、空々漠々となる...
豊島与志雄 「操守」
...漠々と連なる陸奥(みちのく)の平野を見ているうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友がひとり空々漠々として木の根を掘りつつあるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ見る越前平野の彼方(かなた)遥(はる)かに隠見する加賀の白山――雲煙漠々として...
中里介山 「大菩薩峠」
...漠々とした当のない痛い気持ちが...
林芙美子 「新版 放浪記」
...一月の寒く冷たい青い海が漠々と果てもなく広がっていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...漠々としたオフィスの中で...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...雨のざんざ降りの漠々とした櫟の小道に...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...そのあたりも漠々とした雲の領域になってしまい...
久生十蘭 「白雪姫」
...漠々と沼の上を蔽っていた...
久生十蘭 「地底獣国」
...あたりが全く空々漠々としている中へ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...青稲漠々として海面の蒼々たるに連る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...漠々とけむる戦塵の真先に...
吉川英治 「三国志」
...黄いろい砂塵が漠々と走って...
吉川英治 「三国志」
...漠々とした雲の嶺(みね)を乗り越えて行く飛行機の壮快な姿――そして...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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