...泣じゃくりのあとのような溜息が唇を漏れた...
有島武郎 「星座」
...静かにオーケストラ・ボックスを漏れてきた...
池谷信三郎 「橋」
...紺青の空が漏れ透くかと...
泉鏡花 「悪獣篇」
...蜘蛛(くも)の巣を引くような糸車の音が何家(どこ)ともなく戸外(おもて)へ漏れる...
泉鏡花 「婦系図」
...サモワルの蔭から囁きの声が漏れた...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...油の漏れないという事の注意さえ忘れている...
寺田寅彦 「石油ランプ」
...ただ心外なるはこの上かの艶書(ふみ)の一条もし浪子より中将に武男に漏れなば大事の便宜(たより)を失う恐れあり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...彼女は声が室外に漏れないように気を配って...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...泣き声は吉里の口から漏れて...
広津柳浪 「今戸心中」
...細長い光線が寝室へ漏れてきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...まだ併せ馬の情報は漏れないか」「漏らしてるぜ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...指の間から漏れたこえを出した...
室生犀星 「みずうみ」
...葉漏れの日光(ひかり)に柔らかくおいしそうに輝いていた...
室生犀星 「幼年時代」
...すぐ死ねるだろうと思ったが息がそこから漏れるだけで死ねない...
森鴎外 「高瀬舟」
...かようなことが漏れましては御家の大事にもなりかねませんのですから」「――では若の相手にあがっていた者たちも知ってはいないのだね」「それは申すまでもございません」松尾はそこで思いだしたように云った...
山本周五郎 「菊千代抄」
...そこから微(かす)かに外光が漏れるのである...
山本周五郎 「風流太平記」
...すぐ呉に漏れていた...
吉川英治 「三国志」
...「どうして漏れたろう...
吉川英治 「新書太閤記」
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