...俊助は苦笑(くしょう)を漏(もら)したまま...
芥川龍之介 「路上」
...まさか聞き漏らすことはあるまい」「ウフフ...
江戸川乱歩 「影男」
...十口坊駄句りて曰く、次の馬車待つ山驛の秋しめり裸男は傘をさゝぬつもりにて、ゴム引きのマントを被りたるが、古びたる事とて、雨漏る...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...人類における利他心ももとよりこの理に漏れるわけはない...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...○ 天の網(あみ)およそ人(ひと)悪をなして天罰(てんばつ)に漏(もれ)ざる事...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...暫(しばらく)は止(や)みてありしが梅雨の漏り六月二十四日 銀座探勝会...
高浜虚子 「六百句」
...この場合には土器を漏れる水の代りにフィルムを巻いた回転円筒が使われ...
寺田寅彦 「変った話」
...いったい誰れに対してもあたりの良い人の不平の漏らし所は家庭だなど云う...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...残っているのは敷石の亀裂から漏れ出る...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...広重が描ける東都名所(横絵)の全部を蒐集(しゅうしゅう)してあたかもゴンクウルが北斎歌麿に対せしが如く細大漏(もら)さずこれを説明せんことは今余の微力のよくする所ならず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...灯(あかり)の漏れる部屋へ廻りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...雨戸の引手のあたり錐(きり)の先ほどの穴から漏れる光線を氣にしてをりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ただ便(たより)ない呻声(うめきごえ)が乾付(からびつ)いた唇を漏れたばかり...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...疑いもなく漏斗の大きな水壁が底で合って互いに衝突するために生ずるものでした...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...タンク「マアク九号」の秘密漏洩(ろうえい)を防ぐ英国の警戒は...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...この春信(はるのぶ)などは逸品だと思います」私は驚胆の声を漏らした...
松本泰 「日蔭の街」
...脱漏の疑を別としても...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...蓆(むしろ)の目を漏れる...
吉川英治 「江戸三国志」
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