...戸外に漏るるに至ったのであった...
井上円了 「おばけの正体」
...「この機密が漏洩(ろうえい)することを極端におそれるのです...
海野十三 「宇宙尖兵」
...そこの板の間の真ん中へ雨が漏るのへ...
鈴木三重吉 「桑の実」
...これは此処にある塗池が破損してゐて水が漏る為めに松が痛むのである...
高浜虚子 「発行所の庭木」
...漏つて漏つて堪へきれなくなつたのだ...
種田山頭火 「其中日記」
...彼はその言葉を始めから終いまで漏さず云ってしまった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...窓外の膚白き一樹は扉(とぼそ)漏る赤き灯(とぼし)に照らされていかつく張つた大枝も...
富永太郎 「夜の讃歌」
...広重が描ける東都名所(横絵)の全部を蒐集(しゅうしゅう)してあたかもゴンクウルが北斎歌麿に対せしが如く細大漏(もら)さずこれを説明せんことは今余の微力のよくする所ならず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...曾(かつ)て一度も苦痛の声を漏らしませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな長旅の目論見(もくろみ)を漏しでもしやうものなら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...死に度い――と漏らした相ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...先生は発明が他に漏れるのを惧(おそ)れ...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...緑色のブラインドからかすかな明かりが漏れていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...全然蓋然性を入れずに想像し得る記録簿の脱漏をいかに斟酌しても...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...二月十六日(大暴風雨の日)春の日影 Feb. 23rd.巨大な砂時計の玻璃の漏斗から刻々をきざむ微かな砂粒が落るにつれ我工房の縁の辺ゆるやかに春の日かげが廻って来る...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...炉の隙間を漏る火の光で...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...ときに鮮血を漏らすことがあるという事実から判断した結果である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けれど案外、それは粗漏で、じつはぞんざいな見方に慣れてゐるのぢやないかといふことです...
吉川英治 「折々の記」
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