...」黒井博士が、さしずしますと、若者は、どくろ島の岸にまっている船のところへ、走っていって、年とった漁師に、このことをつたえました...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...彼は勘作の網を持ってちょっとの間どこかへ漁に往ったが...
田中貢太郎 「ある神主の話」
...鴎外漁史を主人公にしてゐるものだといふことを私は後に聞いた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...漁猟は到るところで営まれ...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...難破船の漁師が此所へ救はれたのだといつた...
長塚節 「隣室の客」
...この魚を喰べると私は妙に日本海の年々に目立ってさびれて行く漁村を思い出すのである...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...よしや犧牲者を漁り歩いたところで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ここからいちばん近い漁師の家まで約十五町もある...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その漁獲物の五分の一を現物租税として取りあげられることであった...
本庄陸男 「石狩川」
...八十八段もあるR漁場の魚見櫓での作業に慣れてゐる私達にとつては遊戯にも等しいものであつた...
牧野信一 「酒盗人」
...知つてゐるだらう、貧しい漁師だよ、俺なんて初めのうちは、自分の親父の舟が眼の先きの闇の夜の海に――さうだ、烏賊は君、月夜の晩ではいけないんだ、チヨツ、どこまでグロテスクだらう――いや、親父が乗つてゐる舟がだね、あんな風に眼の前にチラついてゐたら、それを陸(をか)から眺めてゐる娘、即ち僕の女房……」「おい/\、もう酔つたのか...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...……次から次へ觸れ廻つて村中の者は皆濱の方へ飛び出して若い者達は爭つて漁船に乘つて島の方へ漕いだ...
正宗白鳥 「避病院」
...今仲(なか)の町(ちょう)で遊客(うかれお)に睨(にら)みつけられる烏(からす)も昔は海辺(うみばた)四五町の漁師町でわずかに活計(くらし)を立てていた...
山田美妙 「武蔵野」
...綱は漁夫でもなければ鵜でもない...
横光利一 「鵜飼」
...彼等は前夜も眠らずに漁を續けてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...工場に働く者だつてさうだ、漁業でも同じだ...
吉川英治 「折々の記」
...「漁陽(ぎょよう)の三(た)」を奏していたが...
吉川英治 「三国志」
...漁夫(すなどり)の翁でも連れて参れば……」将門はもう泥んこに酔いつぶれていた...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??