例文・使い方一覧でみる「滲む」の意味

...彼女は本当に血が滲むほど唇を噛みしめても... 彼女は本当に血が滲むほど唇を噛みしめてもの読み方
伊藤野枝「乞食の名誉」

...こんな血の滲むような屈辱感や... こんな血の滲むような屈辱感やの読み方
ドストエーフスキイ米川正夫訳「地下生活者の手記」

...理解さるる無意味、胸に滲む問い、ドストエフスキーの否定はそこにある...
中井正一「探偵小説の芸術性」

...緑の水はわが樅の船体に滲むことだらう又安酒（やすざけ）や嘔吐の汚点（しみ）は... 緑の水はわが樅の船体に滲むことだらう又安酒や嘔吐の汚点はの読み方
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー　Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳「ランボオ詩集」

...若しも　政府の涙雨が降ったならば油に滲むだ仕事着を焔の中に……未だに党員証を破らぬ俺達の胸にデモをたたみこむで結党大会へ――（発表誌不詳　一九二九年七月戦旗社刊『一九二九年版日本プロレタリア詩集』を底本）... 若しも　政府の涙雨が降ったならば油に滲むだ仕事着を焔の中に……未だに党員証を破らぬ俺達の胸にデモをたたみこむで結党大会へ――の読み方
波立一「結党の焔」

...あなたの薄情を思い知らしたげるから」といって古市の手の甲へ血の滲むほど爪の先を突っ立て...
久生十蘭「魔都」

...滲むように流れ出て... 滲むように流れ出ての読み方
牧逸馬「アリゾナの女虎」

...夕べは未だ暮れ切れなかつた街の彼方が霧のやうに烟つて遠くの灯りが滲むで見へた...
牧野信一「秋雨の絶間」

...油汗の滲む滑稽を感じた... 油汗の滲む滑稽を感じたの読み方
牧野信一「「悪」の同意語」

...」純造は涙が滲む程な口惜しさの余り... 」純造は涙が滲む程な口惜しさの余りの読み方
牧野信一「坂道の孤独参昧」

...夕陽の色彩（いろどり）が西の空に滲むだ頃でした... 夕陽の色彩が西の空に滲むだ頃でしたの読み方
牧野信一「初夏」

...眼眦（まぶち）に滲むだ黄色の光りは――鍵（キー）に奏でらるゝ夢幻曲の譜となつて... 眼眦に滲むだ黄色の光りは――鍵に奏でらるゝ夢幻曲の譜となつての読み方
牧野信一「嘆きの孔雀」

...作者の人柄から滲むといふべき... 作者の人柄から滲むといふべきの読み方
牧野信一「浪曼的月評」

...片鬚剥取られた額に血の滲む凄惨の舞台面を... 片鬚剥取られた額に血の滲む凄惨の舞台面をの読み方
正岡容「異版　浅草燈籠」

...原稿の上に額の汗が落ちて洋墨（インキ）の滲むやうな事も度々ある有樣は... 原稿の上に額の汗が落ちて洋墨の滲むやうな事も度々ある有樣はの読み方
水上滝太郎「大阪の宿」

...池田は眼に涙が滲むのを覚えた... 池田は眼に涙が滲むのを覚えたの読み方
宮嶋資夫「恨なき殺人」

...彼女のむきな調子には何か涙が滲む程切迫つまったところがあった...
宮本百合子「或る日」