...内より温める熱と自然に滲み出る汗と涙とがある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...蜜蝋の材料になるものが少しづつ滲み出るのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...体はそのままふんわりと浮き上り体中から冷たい汗が滲み出るのを感じ……それっきり私の体はその場へ倒れてしまったらしいのである...
上村松園 「健康と仕事」
...禿げ上った前額に滲み出る汗を無雑作に手帛で拭きとりながら...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...それが軸から毛の方へ滲み出るように工夫したであろう...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...滲み出る汗と共に何かしら揉まれしぼり出される身内の或る物――それらは彼の幼時の記憶に確(し)つかりと結びついて...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...すっと、薄赤い線が、滲み出ると、忽ち、血の粒が、湧き上って来た...
直木三十五 「南国太平記」
...できないのをお銀様は、自棄(やけ)に吸い上げ吸い上げしたものですから、滲み出る血を、すっかり口中に吸い取りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...些も風の動かない為に凝乎(じっと)して居ても汗が滲み出る位で...
西尾正 「陳情書」
......
波立一 「赤い腕章」
...どうか御容赦を」言葉の端々に滲み出る妻への愛情...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...滲み出るように黒々と拡がり出した...
横光利一 「上海」
...」笑う後から滲み出る甲谷の困惑した顔色を...
横光利一 「上海」
...血が滲み出る...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...こまかな枝や葉の茂みから清水でも滲み出る樣に眞紅な花が咲き擴(ひろ)がつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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