...物質上の分配をしたい――滝本のそんな考へが百合子には無駄に思はれた...
牧野信一 「南風譜」
...「悪党――女蕩し!」「…………」滝本は...
牧野信一 「南風譜」
...二人は百合子を見つけ出すであらう――と滝本は思つたが...
牧野信一 「南風譜」
...滝本は、訊ねきれぬものが多過ぎて、途方に暮れた...
牧野信一 「南風譜」
...その上また滝本に就いては...
牧野信一 「南風譜」
...暫く滝本に其処で待つてゐて呉れと云ひ残して...
牧野信一 「南風譜」
...滝本は得体の知れぬ不安に襲はれた...
牧野信一 「南風譜」
...滝本も亦紳士と同じやうに両腕の上に享けなければならなかつた...
牧野信一 「南風譜」
...その時滝本は、村井の小説の話を持出して、この頃村では、互の名前をパトリツクだとか、セブラ、オーソニイ、そしてダビツトだとかに称び代へてローマンスの夢に耽つてゐるところなので、今度は自分がフランクとなつても驚きもしない――などゝ突然大きな声で、わけもなく嗤ひ出しながら点頭いたりした...
牧野信一 「南風譜」
...「皆なは?」武一や竹下達のことを滝本が訊ねると...
牧野信一 「南風譜」
...俺は、それを聞いた時には太一郎達が何か新しい魂胆を回らせてゐるんだらうと思つたが――」二人が、荷物の支配などをしながら篠谷に対する憤懣からついつい荒つぽい言葉を取り換してゐると、何時の間にかローラが傍らに来てゐて、滝本と七郎が、「よしツ、もう二度とラツキーは渡しつこないから!」「あんなべら棒な話つてあるものか!」さう云つて言葉が止絶れると、ローラは酷(ご)く熱心な眼を輝かせて、さつきから二人の会話を非常に注意深く聞いてゐるのだが、さつぱり意味が解らない、二人は何か争ひを始めたのか? 「あいつ」といふのは「彼(ヒイ)」の意で「俺(おい)らはなあ!」といふのは「自分が考へる処に依ると」といふ意味だと百合子が教へたが、その他の「べら棒奴」とか「あん畜生奴が」等と云ふのは(それがまたこの時非常に屡々二人の間で使はれてゐた...
牧野信一 「南風譜」
...滝本は「森の家へ行くことになつてゐるから――彼方(あちら)で皆なが待つてゐるから――彼処(あそこ)で待つてゐる者だけが僕の友達であり...
牧野信一 「南風譜」
...亢奮した滝本の眼から涙が滾れてゐるのを見て...
牧野信一 「南風譜」
...滝本の「星学大系」にしろ相当の報酬が得られる筈なんだから...
牧野信一 「南風譜」
...あの――」と滝本は思はず口走つて...
牧野信一 「南風譜」
...娘達が乗馬服に着換へる間に竹下と滝本と八重の父親が...
牧野信一 「南風譜」
...滝本は、大分後れて呑気な脚どりでぽか/\と従いて来る後ろの百合子達を振り返つて「これから、競馬場へ行つて見よう、兎も角俺に従いておいでよ...
牧野信一 「南風譜」
...そう呼ばれても滝本は訂正することもなく...
山本周五郎 「さぶ」
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