...之を聞いてゐるうちに私の心には深山のその凝つてゐた白雪が解けて滔々と流れ出づる時季といふものを感じて...
今井邦子 「雪解水」
...滔々と何物をも流さずにおかない大氾濫を畫きたい」と語られたといふ...
今井邦子 「雪解水」
...ある新しい血が滔々として溢れ流れるのを感じた...
大杉栄 「続獄中記」
...滔々としてその恩沢に浴する気になるのは...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...大河らしく濁流滔々として流れている(渡船賃は市営なので無料)...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...やはり滔々とアイヌ語で説教しますと...
知里真志保 「アイヌ語学」
...さっそく立て板に水を流すごとく滔々と...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...議論滔々として竭きざるは沼南に及ばず然れども志氣雄邁...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...言葉巧みに滔々と述べ立てる者は...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...滔々として急射するをみる...
長塚節 「草津行」
...日本の青年は滔々として堕落するにもかかわらず...
夏目漱石 「野分」
...滔々と淀みない雄弁(ゆうべん)をつづける久太郎の口元を不思議そうに見つめた...
火野葦平 「糞尿譚」
...滅多矢鱈に滔々とまくし立てるが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...」母はキンキンと響く声で滔々と喋り始めた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...西洋の学問が滔々として入り来り...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...けれども雄壮に滔々とおちかかる滝の水のしぶきを体に浴びるように感じながらじっと見ている滝壺の底には...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...滔々として流れてゐる...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...況(いわ)んや「風采即信用」という風俗の格言が滔々として世を蔽いつつあるに於てをやである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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