...都の人の身振りを真似るくらゐ浅間しく滑稽なものは無いのだ...
太宰治 「右大臣実朝」
...その唖然としたいかにも滑稽な顔つきを見て...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...」滑稽なほど仰々しい仕草で...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...丁度日本の内から「日本的」なものを区別することが滑稽な試みに終ったと同じに...
戸坂潤 「思想動員論」
...あの時は一部始終がすこぶる滑稽なような氣がしていたのに...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...こんなのもなかなか悪くない材料といえよう! わたしがこんなことをいうのも、あえて滑稽な、古臭い愛国心などのためではない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...おれは自分の立場の滑稽なのを感じた...
豊島与志雄 「朝やけ」
...それが、途方もないものだの、滑稽なものなら、まだいいが、たいへん気恥しいもののことがある...
豊島与志雄 「無法者」
...極めて滑稽な事件が一つ出没しておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...坊さんの中へも交れば、神主さんとも握手を試みようとし、また婆さん連の中へ不意に面(かお)を出しては笑わせ、娘たちを追い廻しては驚かせ、最も滑稽なのは、大漁踊りの中へ飛入りをして、ダンスまがいで踊り出した恰好(かっこう)が、大喝采(だいかっさい)でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この伯父のかつての滑稽な非常識な失策などを思い出していた...
中島敦 「斗南先生」
...もはや余りにも滑稽な羞恥としか映らない...
中島敦 「斗南先生」
...びっくりして一種滑稽なお辞儀をしました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...滑稽なことになり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...滑稽な様子で成吉思汗(ジンギスカン)の白馬のうしろに廻り)ても見事な眺めじゃなあ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...その滑稽な隆造の肉体は...
牧野信一 「白明」
...狂言といふものは、どういふ工合に発達したか十分には知らぬが、とにかく能楽と共に舞台に上る処を見ると能楽がやや高尚で全く無学の者には解せられぬ処があるから、能楽の真面目なる趣味、古雅なる趣味に反対して、滑稽なる趣味、卑俗なる趣味をもつて俗人に解せしめるやうに作られたのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...ハタから見ていると滑稽なことがある...
三好十郎 「肌の匂い」
便利!手書き漢字入力検索