...私は自分の中にある不純の分子や溷濁(こんだく)の残留物を知っているので時々自信を失いかけると...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...溷濁(こんだく)した水面をじっと見まもった...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...一一〇cc、溷濁なし...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...これはたぶんまつ毛のためやまた眼球光学系の溷濁(こんだく)のために生ずるものかと思われる...
寺田寅彦 「人魂の一つの場合」
...後の方になるほど絵の具の色は溷濁(こんだく)して...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...村の衛生係が草鞋ばきの巡査さんと溷(どぶ)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...政界の溷濁復た濟ふ可からざるの状態に陷りたり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...政界の溷濁復た済ふ可からざるの状態に陥りたり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...世の溷濁(こんだく)と諸侯の無能と孔子の不遇とに対する憤懣(ふんまん)焦躁(しょうそう)を幾年か繰返(くりかえ)した後...
中島敦 「弟子」
...喬木簇生して奇矯秀溷...
長塚節 「草津行」
...自分(じぶん)の損失(そんしつ)を顧(かへり)みる餘裕(よゆう)を有(も)たぬ程(ほど)惑亂(わくらん)し溷濁(こんだく)して居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...霊台方寸(れいだいほうすん)のカメラに澆季溷濁(ぎょうきこんだく)の俗界を清くうららかに収め得(う)れば足(た)る...
夏目漱石 「草枕」
...彼の眼玉がかように晦渋溷濁(かいじゅうこんだく)の悲境に彷徨(ほうこう)しているのは...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...只幾分か頭脳が茫乎(ぼんやり)して来まして所謂軽度の意識溷沌(こんとん)に陥り追想力が失われる様で有ります...
西尾正 「陳情書」
...旅客機自体が溷濁(こんだく)したものの中にすっぽりと沈みこんでしまい...
久生十蘭 「雲の小径」
...むざんに溷濁の干潟に曝し...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...傍の真紀子の不機嫌さにホールの美しさも今は溷濁(こんだく)して感じられた...
横光利一 「旅愁」
...第三高調波(サードハーモニックス)を描く放送音楽(ラジオミウジック)……蓄電器(コンデンサアー)のように白々(しらじら)しく対立した感情……溷濁(こんだく)した恋情と...
蘭郁二郎 「古傷」
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