...穂高山へ登るのには御承知の通り梓川を溯る外はありません...
芥川龍之介 「河童」
...買うのを躊躇する人にもしも船乗(ふなのり)調子の船乗物語や、暴風雨(あらし)や冒険、暑さ寒さが、もしもスクーナー船や、島々や、置去(おきざ)り人(びと)や海賊や埋められた黄金(おうごん)や、さてはまた昔の風のままに再び語られたあらゆる古いロマンスが、私(わたし)をかつて喜ばせたように、より賢い今日(こんにち)の少年たちを喜ばせることが出来るなら、――それならよろしい、すぐ始め給え! もしそうでなく、もし勉強好きな青年たちが、昔の嗜好を忘れてしまい、キングストンや、勇者バランタインや、森と波とのクーパー(註一)を、もはや欲しないなら、それもまたよろしい! それなら私と私の海賊どもは、それらの人や彼等の創造物の横(よこたわ)る墳墓の中に仲間入りせんことを!第一篇 老海賊第一章「ベンボー提督(アドミラル・ベンボー)屋」へ来た老水夫大地主のトゥリローニーさんや、医師のリヴジー先生や、その他の方々(かたがた)が、私に、宝島についての顛末を、初めから終りまで、ただまだ掘り出してない宝もあることだから島の方位だけは秘して、すっかり書き留めてくれと言われるので、私は、キリスト紀元一七――年に筆を起し、私の父が「ベンボー提督(アドミラル・ベンボー)屋(註二)」という宿屋をやっていて、あのサーベル傷のある日に焦(や)けた老水夫が、初めて私たちの家(うち)に泊りこんだ時まで、溯ることにする...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...只見川に別れて白沢を溯る...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...これはしかしこのようにして無限に溯ることができないのであって...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...そして吾々は始めから――方法概念の実践的動機を溯る吾々は――常に実践的概念の分析を要求していた...
戸坂潤 「科学方法論」
...科学論はそれ自身の動機へ溯ることによって...
戸坂潤 「科学方法論」
...云うまでもなくそれはルネサンスの初期にまで溯る...
戸坂潤 「科学論」
...普通科学乃至学問の分類はプラトンにまで溯る...
戸坂潤 「科学論」
...* 研究方法として実験に着眼した始めは十三世紀に溯る...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...昔の學問が官職から出た學問の根本に溯るやうにし...
内藤湖南 「支那目録學」
...而して其の原因はずつと以前に溯ることで...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...いやそんなに古く溯るまでもない...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...作られた時代は遠く過去に溯る...
柳宗悦 「工藝の道」
...それが清濁を分つ宗教の教え以前の泉にまで溯ることです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...下野の領主の俵藤太秀郷まで溯ることが出来る...
柳田国男 「故郷七十年」
...江口を溯ること十六哩の平地に...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...水を逐(お)ふて此嶮所(けんしよ)を溯る何かあらん...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
...此険流(けんりう)を溯るも皆(みな)甚労とせず...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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