...眞正の飛躍を望む者は本質に飛躍す可き力の充ち溢れる迄押こらへて待つてゐなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...2.樽が溢れる...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...眼もとや口もとに子供のような無邪気さが溢れる...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...・濡れてすゞしくはだしで歩く・けふも旅のどこやらで虫がなくひとり住んで蔦を這はせる身に触れて萩のこぼるゝよ朝湯はうれしかつた、早く起きて熱い中へ飛び込む、ざあつと溢れる、こん/\と流れてくる、生きてゐることの楽しさ、旅のありがたさを感じる、私のよろこびは湯といつしよにこぼれるのである...
種田山頭火 「行乞記」
...溢れるやうな三吉への感謝で...
中村地平 「悪夢」
...スツと廊下に溢れる顏を見渡しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...絹子は溢れるやうな涙で...
林芙美子 「幸福の彼方」
...あまり嬉しくてこの溢れるような喜びを誰かに分けてやりたくてたまらなくなったのです...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...張り裂けるように溢れる涙を堪える辛さに...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...夜の部も溢れる大満員...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何といふこともなく次第に私の胸は甘さに溢れるかのやうな...
牧野信一 「冬物語」
...恐れと美しさの溢れるかがやきを持っていた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「髪あかきダフウト」
...脇から桃輔が溢れるほど酌いだ...
正岡容 「寄席」
...溢れるような曠野の血が一方に流れて居り...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あったでしょう? 今に灯かげは外へまで溢れる季節になりますね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...溢れる命があるのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...小川(こがわ)が溢れるように溢れて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...散った葩(はなびら)は溢れる水に乗ってくるくるとまわり...
山本周五郎 「日本婦道記」
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