...それに溢れるばかりの感情を盛った作者の腕前に心から驚歎させられるが...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...悉(ことごと)く溢れるような人を満載していて...
高浜虚子 「丸の内」
...・濡れてすゞしくはだしで歩く・けふも旅のどこやらで虫がなくひとり住んで蔦を這はせる身に触れて萩のこぼるゝよ朝湯はうれしかつた、早く起きて熱い中へ飛び込む、ざあつと溢れる、こん/\と流れてくる、生きてゐることの楽しさ、旅のありがたさを感じる、私のよろこびは湯といつしよにこぼれるのである...
種田山頭火 「行乞記」
...水の流れるやうに句心は湧いて溢れるのだ...
種田山頭火 「其中日記」
...水の流れるように句心は湧いて溢れるのだ...
種田山頭火 「述懐」
...こん/\と湧いてなみ/\と湛へてそしてどし/\溢れる温泉のあたゝかさ...
種田山頭火 「旅日記」
...それに才気の溢れる顔つきで...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...聽衆は堂に溢れる斗り...
中島徳藏 「巽軒先生喜壽の祝辭」
...その五体に溢れる全魅力を動員して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...顏にも涙にも溢れるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...涙が溢れるやうに出て来るのは如何したことであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...夜の部も溢れる大満員...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...滿ち溢れるやうな熱い心情の現はれた眼でじつと私を見つめ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そんな力が溢れるほどぞく/″\として...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...今日はなんとなく溢れるようなおもむきがあった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...書きたさに溢れる心持のものを先ず書いてゆくことの必要さを感じていたので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やっぱりああいう形でつい溢れるものがあるのですものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今うちの門から玄関にゆく間のあの細い道は溢れる緑と白い花です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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