...溝板(どぶいた)から直ぐに竹の欄干(てすり)になって...
泉鏡花 「歌行燈」
...溝板(どぶいた)の広い...
泉鏡花 「歌行燈」
...その溝板の上を彼女は足袋跣足で...
田中英光 「野狐」
...極めて狭い溝板(どぶいた)の上を通行の人は互(たがい)に身を斜めに捻向(ねじむ)けて行き交(ちが)う...
永井荷風 「すみだ川」
...界隈(かいわい)の小待合より溝板(どぶいた)づたひに女中の呼びに来るを待ち...
永井荷風 「桑中喜語」
...溝板(どぶいた)の上を駈け抜ける人の跫音(あしおと)につづいて巡査の佩剣(はいけん)の音も聞えた...
永井荷風 「花火」
...溝板のところをほうほうの体(てい)で逃げ出した鐚助――「どうもはや...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おや? そいつは何處に?」「溝板の隙間に打ち込んであつたよ」「それぢや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんな溝板のがたつく樣な店先へ夫こそ人がらが惡(わろ)くて横づけにもされないではないか...
樋口一葉 「にごりえ」
...こんな溝板(どぶいた)のがたつく樣(やう)な店先(みせさき)へ夫(それ)こそ人(ひと)がらが惡(わろ)くて横(よこ)づけにもされないではないか...
樋口一葉 「にごりえ」
...一枚(まい)はづれし溝板(どぶいた)のひまよりざら/\と翻(こぼ)れ入(い)れば...
樋口一葉 「にごりえ」
...足もととては処々(ところどころ)に溝板(どぶいた)の落し穴あやふげなるを中にして...
樋口一葉 「にごりえ」
...危なかしい溝板(どぶいた)を堀田に手をとられながら踏み越えたりして...
牧野信一 「露路の友」
...オットリ灯の色を映し出している法善寺の路地の溝板を踏んでもう今はなくなった紅梅亭という寄席へ出かけていった...
正岡容 「寄席行燈」
...溝板(どぶいた)のような下駄をはいているのであった...
室生犀星 「幻影の都市」
...二人の袖(そで)は横町(よこちょう)の溝板(どぶいた)の上で摩(す)れ合ったはずである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...その横丁の溝板(どぶいた)をふみ鳴らして来た浴衣(ゆかた)がけの人間があります...
吉川英治 「江戸三国志」
...手に持っていた封金を溝板(どぶいた)のうえに落した...
吉川英治 「治郎吉格子」
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