...昨六日午後府下(ふか)千住町(せんじゅまち)中組(なかぐみ)――番地往来の溝川をさらっているうち人夫木田三次郎(きださんじろう)がすくい上げた泥の中から...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...今朝の新聞に千住の溝川から若い女の片足が出て来たという記事がのっていましたが」「アアあれ読みました...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...今まで涸(か)れがれになったり氷が張りつめていたりした溝川の水などがいつの間にか氷も溶けてしまい少しずつ分量も増してきて...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...三門(みかど)の町を流れる溝川(みぞがわ)の水も物洗うには...
永井荷風 「草紅葉」
...東京の溝川(みぞかは)には折々(をり/\)可笑(をか)しい程事実と相違した美しい名がつけられてある...
永井荷風 「水 附渡船」
...溝川(みぞかは)は元(もと)より下水に過ぎない...
永井荷風 「水 附渡船」
...かゝる溝川(みぞかは)流(なが)るゝ裏町は大雨(たいう)の降る折(をり)と云へば必(かなら)ず雨潦(うれう)の氾濫に災害を被(かうむ)る処である...
永井荷風 「水 附渡船」
...溝川(みぞがは)にかけられた一の橋から栄橋を渡り...
永井荷風 「来訪者」
...とある裏町に濁った溝川(みぞがわ)が流れている...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...九段下の爼橋から溝川に添い雉子橋の方へ歩いて行く...
原民喜 「遥かな旅」
...つちに埋るゝ溝川との違ひあり...
樋口一葉 「花ごもり」
...溝川の方角はさまざまな故障があると見えて...
久生十蘭 「魔都」
...タキシードの人物は長身を利用して二間ほどの幅の溝川をヒラリと飛び越えた...
久生十蘭 「魔都」
...いきなりと上草履のまま窓を乗り越え溝川を跨いで追跡を試みた...
牧野信一 「創作生活にて」
...雑草にまじって芒(すすき)や野菊も延びている溝川のへりを真直(まっす)ぐに海に出ると...
水上滝太郎 「九月一日」
...」「溝川のみじんこ・みみずもさがして歩くよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...溝川(どぶかわ)の土橋から七軒目の窓へ」「いや...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...家のすぐ前のきれいな溝川へ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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