...其年前後から栖鳳先生の塾で近郊写生旅行が繁々行はれた思ひ出がある...
上村松園 「写生帖の思ひ出」
...こんな人達と繁々(しげ/\)往来(ゆきき)をすれば...
薄田泣菫 「茶話」
...「あれほど繁々(しげしげ)来た小原さんも...
徳田秋声 「足迹」
...繁々逢っていたが...
豊島与志雄 「操守」
...それがために友に飢ゑてゐ乍らもさう繁々と訪ねて深くつき合ふ気にどうもなれなかつたのは実に此男の下等な偽悪趣味であつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...さう繁々(しげ/\)足(あし)を運(はこ)ぶ譯(わけ)でもないらしかつた...
夏目漱石 「門」
...山谷のお寿のところへ繁々(しげしげ)行くようになったそうですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「寅吉は?」「寅吉さんはお小夜のところへ繁々(しげしげ)通っていたようで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...右馬之丞の野郎が繁々と出入りしたことは誰でも知つてゐる――」平田源五郎の毒を含んだ言葉はなほも續きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「それは大丈夫だ、此邊は貧乏人ばかりだから空巣狙(あきすねら)ひやコソ泥は目をつけないよ、それに近所の衆が見張つて下さるから、野良猫が一匹忍び込んでも長屋中の騷ぎだ、尤も、お君さんは綺麗過ぎるから、繁々出入したら、變に思ふ人があるかも知れない」八五郎も漸く冗談を言ふ氣持になりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...繁々(しげ/\)逢つて居ると聽いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう少し繁々(しげしげ)と往来して...
野村胡堂 「無題(故海野十三氏追悼諸家文集)」
...この頃は例の近江とかいう女の許へばかり繁々とお通いになって入らっしゃると云うお噂を耳にしたので...
堀辰雄 「ほととぎす」
...前よりも一層繁々とお立ち寄りになり...
堀辰雄 「ほととぎす」
...それから間もなく弁護士や執達吏などが繁々と青木家の門を出入するやうになつた...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...繁々往来しては時には年寄の三味線などを聴いて陽気になることがあつた...
牧野信一 「裸虫抄」
...それからは源氏の見舞いの使いが以前よりもまた繁々(しげしげ)行った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私があなたと(あなたも毎日のようにここに来られるようですが)繁々と逢うというのは...
蘭郁二郎 「孤独」
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