...少し金が溜るとそれを持つて...
有島武郎 「骨」
...塵ッ葉一つ出さなければますますお金が溜るわけだ」コンパスはむっとして身を翻し...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...疎(まばら)に溜る程の小雨が...
鈴木三重吉 「金魚」
...そんな筈があつて溜るもんかい...
薄田泣菫 「茶話」
...「江戸つ子がそんな目録つきで品物の取引なぞして溜るもんかい...
薄田泣菫 「茶話」
...段々と溜る負債償却のために売却する用向であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...結局油の垢のようなものが潤滑面に溜るのが一番怖しいので...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...黒血が溜るとか流れるとかしなきゃアなりません」「なるほど」「ところが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...足立屋は金が溜るから不思議だつてね」「奉公人は多勢居ることだらうな」「内儀のお種に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...奉公の命が惜しくなる――溜ると汚くなるといつたものを...
長谷川時雨 「初かつを」
...僕の眼の奥に涙が溜るとき...
原民喜 「鎮魂歌」
......
夢野久作 「猿小僧」
...一ト月の間で流れをせきとめるほど川ふちに溜る製材の破片を広場の中央に塚ほどに積みあげて四方から火を放ちます...
牧野信一 「舞踏会余話」
...金が溜るという事も無え...
三好十郎 「樹氷」
...土民の手あらの者が、職人として雇われてきて、日ごとに中庭の作業場で、沓(くつ)を編み、蓆を荷造りして、それが溜ると、城内の市(いち)へ持って行って、穀物や布や、母の持薬などと交易してきた...
吉川英治 「三国志」
...机忙(きぼう)は溜るばかりで...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...溜るべき理由があって溜っているんだから」無理をしないようにという仰せでしたがね...
吉田茂 「私は隠居ではない」
...この上なしの吝嗇だからたゞ溜る一方であること...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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