...そして孔口の底から湯が非常な早さで跳び出して来て谷に溜る...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...塵ッ葉一つ出さなければますますお金が溜るわけだ」コンパスはむっとして身を翻し...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...それが籠の中に溜るんだね...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...この煤はなんで溜るかといえば...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...煙管に脂が溜るのは他に大原因があるだろう...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その上リヽーまで連れて行かれて溜るものか...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...段々と溜る負債償却のために売却する用向であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...松葉焚き煤火すゝたく蜑が家に幾夜は寢ねつ雪のふる夜も波崎のや砂山がうれゆ吹き拂ふ雪のとばしり打ちけぶる見ゆしらゆきの吹雪く荒磯にうつ波の碎けの穗ぬれきらひ立つかも吹き溜る雪が眞白き篠の群の椿が花はいつくしきかも波崎雜詠のうち薦かけて桶の深きに入れおける蛸もこほらむ寒き此夜は利根の河口は亂礁常に波荒れて舟行甚だ沮む...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...唸(うな)るほど溜るばかりだ...
夏目漱石 「坑夫」
...黒血が溜る筈もございません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...奉公の命が惜しくなる――溜ると汚くなるといつたものを...
長谷川時雨 「初かつを」
...少しやそつとの紛雜(いざ)があろうとも縁切れになつて溜る物か...
樋口一葉 「にごりえ」
...この時の歌には 櫨紅葉燃殻のごと残りたる上に富士ある磯山の台 三方に涙の溜る海を見て伊豆の網代の松山に立つ 故なくば見もさびしまじ下の多賀和田木の道の水神の橋 などが数へられる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...一ト月の間で流れをせきとめるほど川ふちに溜る製材の破片を広場の中央に塚ほどに積みあげて四方から火を放ちます...
牧野信一 「舞踏会余話」
...どうしたらば金が溜るかと...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...一とところに溜るかと思うと流れ...
室生犀星 「幻影の都市」
...四山の水が溜るように...
吉川英治 「三国志」
...こんなふうに落花の芥(あくた)が溜るのだろうな」それから一軒の家へ上がって...
吉川英治 「宮本武蔵」
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