...塵ッ葉一つ出さなければますますお金が溜るわけだ」コンパスはむっとして身を翻し...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...なにその十八語は何(ど)う言ふのだつて? そんな事を今迄記憶(おぼ)えて居て溜るものかい...
薄田泣菫 「茶話」
...直ぐ溜るものだなと弟子は思つた...
薄田泣菫 「茶話」
...金は溜る一方であつたが...
薄田泣菫 「茶話」
...「江戸つ子がそんな目録つきで品物の取引なぞして溜るもんかい...
薄田泣菫 「茶話」
...その十八語はどう言ふのだつて? そんな事を今まで記憶えて居て溜るものかい...
薄田泣菫 「独楽園」
...見す/\彼奴の罠に篏(は)まつて溜るものかと云ふ反感が...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...松葉焚き煤火すゝたく蜑が家に幾夜は寢ねつ雪のふる夜も波崎のや砂山がうれゆ吹き拂ふ雪のとばしり打ちけぶる見ゆしらゆきの吹雪く荒磯にうつ波の碎けの穗ぬれきらひ立つかも吹き溜る雪が眞白き篠の群の椿が花はいつくしきかも波崎雜詠のうち薦かけて桶の深きに入れおける蛸もこほらむ寒き此夜は利根の河口は亂礁常に波荒れて舟行甚だ沮む...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...奉公の命が惜しくなる――溜ると汚くなるといつたものを...
長谷川時雨 「初かつを」
...二月二十二日(水曜)徹夜が続いて日記が溜ると...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
......
夢野久作 「猿小僧」
...雪どけ水が野の低みに溜るのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...一ト月の間で流れをせきとめるほど川ふちに溜る製材の破片を広場の中央に塚ほどに積みあげて四方から火を放ちます...
牧野信一 「舞踏会余話」
...故に仮令雨が降つても其殻片へは水の溜る憂ひはない...
牧野富太郎 「風に飜へる梧桐の実」
...私ぐらゐの年齡(とし)でまだ耄碌(もうろく)して溜るものぢやない...
正宗白鳥 「孫だち」
...一とところに溜るかと思うと流れ...
室生犀星 「幻影の都市」
...こんなふうに落花の芥(あくた)が溜るのだろうな」それから一軒の家へ上がって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この上なしの吝嗇だからただ溜る一方であること...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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