...すでに何回かの勝負があったらしく、喊声や、落胆の溜め息や、傍観者の笑いさざめきなどが、ごっちゃになってそこから渦巻き昇っていた...
犬田卯 「競馬」
...それに同情してくれたのが従弟の弘さんなのでございます」と云って、溜め息を吐き、「弘さんの事を少し申上げなければなりません、新聞にもあります通り精神異常者なのでしょう...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...深い溜め息と、苦悩の身ぶりで、彼女は絶えまもなくエセックスの名を口にし続けた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...電車の中で卒倒するような事があったら………「あゝ」私は深い溜め息をついて...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...さも感心したような溜め息を洩らしたり...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...きみのために溜め息ひとつつく者もない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...深い溜め息の出るのをどうすることもできなかった...
仁科芳雄 「原子力の管理」
...来し方を眺め渡して溜め息をついた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...ジョヴァンニは思わず溜め息をついた...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ともすれば出かかる溜め息を押え押え御飯を口に運んでおりましたので...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...時々は涙を流してまで溜め息をしいしい読み続けたことでした...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...その溜め息のし工合いや...
夢野久作 「鉄鎚」
...長い溜め息をしいしい顔を上げて涙を拭きますと...
夢野久作 「死後の恋」
...長い長いふるえた溜め息を吐(つ)いた...
夢野久作 「白菊」
...そうして妹に安心させよう……と心の底で固く固く誓い固めた溜め息でもあった...
夢野久作 「一足お先に」
...この前代未聞の裁判を確定したいと希望している者である」(7)この演説が終りました時に満場の官民が一度に吐き出した溜め息は...
夢野久作 「霊感!」
...ぼんやり溜め息をついていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...そして溜め息をつく...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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