...函館を発つ汽車汽船が便毎に「焼出され」の人々を満載してゐた頃で...
石川啄木 「札幌」
...次のオープンカーは茶箱の様な贓品の荷物を満載して...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...そういう女達を満載して...
谷譲次 「踊る地平線」
...われわれは獲物を満載して結氷前に帰るのだ...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...私は褐色の唾液を満載して自分の部屋を見棄てる...
富永太郎 「鳥獣剥製所」
...コン吉はコルテの町からさまざまな買物を騾馬(ろば)の背に満載して帰って来た...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...群衆の間を一台の荷馬車が籠や箱を満載して通りかかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...只さえ引っくり返り易いボウトに平衡を失っている人間を満載して動揺の激しい海面へ下ろそうというのだから...
牧逸馬 「運命のSOS」
...船艙(せんそう)の覆(おお)いにまで黒人植民兵を満載して仏領アフリカから急航しつつあった運送船が...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...佳人を満載してその間を漕ぎまはらしめたりといふ佳話は一日として小赤壁亭中の話頭に上らざる事あらず...
正岡子規 「四百年後の東京」
...それを一輛の美しい馬車が満載して来た...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...今度の船は荷物を満載していて...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...一台の自動車が開いた屋根に人を満載して通った...
横光利一 「旅愁」
...リオンから夜更けて乗つた巴里行(パリイゆき)の汽車の三等室は途中で降りる労働者を満載して居たが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...かねがねご諜報いたしおきたる通り、今夜二更の頃、それがし、江南の武将の首をとり、あわせて、数々の軍需の品、粮米を満載して、貴陣へ投降すべし...
吉川英治 「三国志」
...ただちに敵前上陸へ移る将士をどれも満載している...
吉川英治 「私本太平記」
...兵糧や武器を満載して舟行していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――というのは、あいにく、この夏頃からまた、南海に剽盗(ひょうとう)が蜂起し、騒乱の被害地は、伊予、讃岐、また瀬戸内の各地にわたり、朝議でも、捨ておきがたしとなって、伊予守紀淑人の訴文を容れ、官船十数隻に、兵を満載して、海賊討伐にさしむけ、太政官も各省でも、その事でもちきっているところである...
吉川英治 「平の将門」
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